内容説明
スペンサーがいかに従来の「ハードボイルド探偵小説」とは異なったものであるか。また、この探偵小説がどんな狙いをもって書かれたものなのか。そして、スペンサー・シリーズの魅力がどこにあるのか。入魂のスペンサー論。
目次
第1章 スペンサー・シリーズの魅力(スペンサーのボストン;スペンサーがやってきた;愛の大河小説 ほか)
第2章 作品についての考察(ゴッドウルフの行方;誘拐;失投 ほか)
第3章 プロファイル(スペンサーのプロファイル;スーザン・シルヴァマンのプロファイル;ホークのプロファイル ほか)
ロバート・B.パーカー作品リスト
著者等紹介
里中哲彦[サトナカテツヒコ]
1959年(昭和34)生まれ。早稲田大学政治経済学部中退。河合文化教育研究所研究員(「現代史研究会」主宰)、コラムニスト、翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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chiru
81
スペンサーの研究読本という、スペンサーマニュアル。教えてもらって読みました。『初秋』は無気力な少年の成長に、スペンサーが一役買うのですが、彼の信念や生き方の一端も描かれています。少年に自ら生き方を考えさせる。自分の信念に誇りを持っている。どんなに傷ついてもネバーギブアップ精神を貫く。緊迫したシーンでもユーモアを忘れない…etc。最後まで読みたかったけど、シリーズ各作品のラストに触れた箇所があったので、この本は、購入してじっくり読むことに決定✮ 2019/10/09
フジマコ
31
スペンサーの事を語れと言われれば原稿用紙5,6枚はすぐに書ける。多いか少ないかは分からないけれど。兎に角20台後半にスペンサーに出会って、あっという間に彼は僕のヒーローになった。「タフであれ」は僕の大切な言葉だ。そのスペンサーに、パーカーのスペンサーにもう出会うことはできない。ジェシーにもサニーにも。スペンサーに出会って僕はビール好きでよかったと実感したし、キッチンに立つことが益々好きになったし、筋トレが楽しくなった。「My name's spenser」菊池光さんのこの訳で僕はスペンサーの虜になった!2014/04/29
GAKU
14
スペンサー論。1章はスペンサーシリーズの解説と総評。2章は作品別考察(全作品を掲載)。3章は登場人物のプロファイリング。付録にパーカーの作品リスト。 スペンサー好きの人しか読まないでしょうね。最近新刊本はほとんど図書館で借りている私が、珍しく購入しました。スペンサーシリーズ全巻と一緒に手元に置いておき、再読する時の参考書代わりにしようと思っています。でも300ページ程の、たいして厚くはない普通の新刊本で、定価2,700円は高いよな~。これだから、本が売れなくなるんじゃない・・・・!?2015/07/05
最後の羅針盤
5
まだまだ心許なかった頃の自分の中に、隙間を埋めるように入り込んできたのがスペンサーだった。だから、世の中的なスペンサーの分類や批評よりも、自分の中のスペンサーがどう生きてきたのか、自分を振り返る方に興味が湧いてきた。2016/01/22
プリュス
1
《リード》私立探偵スペンサーシリーズの男、心情、名誉の行動についての物語を読み解く本。《内容》【スペンサー・シリーズの魅力】【作品についての考察】【プロファイル】名はスペンサーだ。サーのつづりは詩人と同じようにSだ。《コメント》ロバート・B・パーカーが亡くなり、いまだに最期の作品となった『春風』を読んでいない。これが最期の作品と思うと読めなかった。スペンサーシリーズの魅力は登場人物の会話だ。『春風』近いうちに読んでみよっと。2016/03/11