内容説明
切支丹を救わんとする少年・天草四郎と老軍師・森宗意軒!幕府転覆を企む由比正雪に謎の盗賊団孔雀組も加わり原城秘図を巡って展開する卍巴の死闘。長編時代小説2編、青春探偵団もの1編を含む全6編。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
yamatoshiuruhashi
33
映画にもなった「魔界転生」、あるいは忍法帖や警視庁草子などで独自の時代小説の域を構築している山田風太郎に少年小説を書いていた時期があったとは知らなかった。しかも本書に含まれる「神変不知火城」は天草四郎も出てくるキリシタンを中心に据えた小説。また真田十勇士が出てくるところなど講談本の影響を受けつつも後年の作風の芽生を感じさせる。2020/06/08
蔦屋重三郎そっくりおじさん・寺
8
表題作のみ読む。まあなんと豪華な登場人物。天草四郎、森宗意軒、由比正雪、丸橋忠弥、松平信綱、真田幸村!猿飛佐助!…『魔界転生』や『外道忍法帖』と同じ背景。大活劇で面白いのだが、キリシタン挙兵で前編終了。残念。続きが読みたかった。風太郎さん28歳の時の作品。作者探訪記事も併録されていて良い。当時の挿絵入りなのが嬉しい。『地雷火童子』の挿絵はなんと石原豪人!。2012/10/04
ひこまる
5
「神変不知火城」は未完だし(山風にしては)オチが読めるものが多かったので、「ねむり人形座」という衝撃があった第1巻に比べれば(山風にしては)平凡な出来だと思う。とは言ってもl「青春探偵団」の面々にほんのちょこっとだが荊木歓喜先生の登場に加えて「魔界転生」の一部魔界衆のバトルロイヤルが読めるので個人的には十分楽しめた。2012/09/19
ベック
5
これ、風太郎のファンしか読んじゃだめ。神変不知火城は前編のみの収録だった。あの天草四郎や森宗意軒が善人として描かれているところがなんともくすぐったい。挿絵が時代を感じさせておもしろかった。あと28歳の風太郎氏に出会えて感無量。風太郎はぼくの神さまです。2012/08/19
okaka
4
途中で終わっている作品もあったりしてマニア向けの拾遺集といった感があるけれど、ふんだんに収められた挿画の素晴らしさに思わず欲しくなってしまう本であります。2012/12/24