内容説明
大正期後半の親鸞ブームは“なぜ”起こったのか?倉田百三・武者小路実篤・賀川豊彦・加藤一夫・柳宗悦らの作品の検討を通して、大正期の宗教小説の流行を考察し、現代社会との重なりを指摘する。
目次
序 大正という時代(西田幾多郎の時代的役割―大正時代の生命主義に関するノート)
第1部 大正宗教小説の流行(倉田百三の登場;白樺派と宗教―武者小路実篤『耶蘇』の意味;「死線を越えて」の一考察;空前の親鸞ブーム粗描;“棄教”の文学―加藤一夫「見神」への挫折;美学的オリエンタリズムの帰趨―柳宗悦の朝鮮美術観をめぐって)
第2部 哲学・宗教・社会と現代(大正期のベルクソンの流行について;西田天香と大正思潮―『懺悔の生活』をめぐって;社会と宗教;イエスの方舟と芥川龍之介)
著者等紹介
五十嵐伸治[イガラシシンジ]
宮城県仙台向山高等学校教諭
佐野正人[サノマサト]
東北大学大学院国際文化研究科准教授
千葉幸一郎[チバコウイチロウ]
仙台高等専門学校准教授
千葉正昭[チバマサアキ]
仙台白百合女子大学非常勤講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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rbyawa
1
h090、断片的に見掛けてはいたものの(文学史においてはほんの一部扱い、大手出版社もあまり関わっていない)あまり馴染みがなかった宗教関係や哲学に関する本の流行を扱った内容で、かなり非インテリ向け展開をしていたことにびっくり…。系譜自体は明治末のトルストイの流行から始まっているのだろうものの、その後、数年くらいずつで新しい対象に次々乗り換えていくような流れに…親鸞ブームはともかく、ベルクソンブームは薄そうだなぁ…。文学史から黙殺されている自伝的小説もぽろぽろ、ただ、明らかに純文学よりもずっと売れてる…不毛。2017/12/30
パ
0
主題が面白い。2019/01/14