内容説明
元怪盗、現在は名探偵。顔を自由に変えることができる怪人にして、謎の経歴を持つ紳士、四十面相ハミルトン・クリーク。J.D.カーが愛読し、江戸川乱歩が「怪人二十面相」のモデルにしたと言われるクリーク譚の第一作品集を初完訳。「ホームズのライヴァルたち」第五弾。
著者等紹介
ハンシュー,トマス・W.[ハンシュー,トマスW.][Hanshew,Thomas W.]
1857~1914。ニューヨーク、ブルックリン生まれ。俳優業ののち作家に転じ、おびただしい数の小説を執筆。結婚後に渡英し、ロンドンで没した。シャーロット・メアリ・キングズリイ名義の作品もある
鬼頭玲子[キトウレイコ]
藤女子大学文学部英文学科卒業。インターカレッジ札幌在籍中(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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セウテス
58
〔再読〕江戸川乱歩先生が、本作から怪人二十面相を創造したと言われる。確かに、二十面相も後々四十面相に変わっていました。本作の主人公クリークは元怪盗なのですが、美しき女性エルザに一目惚れし、その後敵であったナーコム警視総監を助ける探偵となる。彼は変装というより顔の筋肉を自在に動かして、別人に変身する。元仲間のアパッシュの女王こと女賊マルゴが要所で登場し、探偵に寝返ったクリークと一戦を構えるのも良いアクセントになっていると思う。連作短編の形であり、ヒューマニズムに感じるのは、根底に騎士道精神が在るからだろう。2016/07/17
ホームズ
11
名前は聞いたことがあったけど読むのは初めて。面白かったですね~(笑)元怪盗で探偵、恋する女性のために頑張ってる感じが良いですね(笑)しかし相棒であるダロップスはいい感じのキャラクターだったとは思いますがイマイチ存在を活かし切れていない感じがしますね~。全体的にトリックは少し微妙な感じがしてしまうけど物語がそれなりに楽しめるので良いいかな(笑)2012/05/04
timeturner
2
小学生の頃に読んだ、子ども用に書き直されたルパンやホームズの本を思い出した。荒唐無稽で楽しいことは楽しいが、現代の小説の基準から見るとあまりにもナイーヴで開いた口がふさがらなくなることも屡々。これは、紙芝居や弁士つき活動写真の世界だな。2014/05/14
左近
1
J.D.カーが愛読し、江戸川乱歩が怪人二十面相のモデルにしたとされる、“40の顔を持つ男”クリーク。恋の力で怪盗から名探偵へと転身を遂げ、数々の謎を解き明かし、最後は自らのルーツに関わる事件を解決に導く様を描く、連作長編形式。現場に出向いてから犯人逮捕に至る捜査過程は、あっさりした印象を受ける部分もあるが、不可能犯罪が次々と登場し、どんな真相が提示されるのか、ワクワクする。仲間を裏切って警察の側についたクリークへの復讐に燃える、元相棒の美女マルゴとその一味が何度も顔を出し、アクセントになっている。2013/07/30
poivre
1
恋と推理と贖罪と2012/07/28