- ホーム
- > 和書
- > 文芸
- > 日本文学
- > ミステリー小説 アンソロジー
内容説明
幻の戦後本格派、初集成。不可能興味と伝奇ロマン。九州佐賀発・海賊伝説殺人事件。「ニッポン・海鷹」ほか9編。
目次
創作篇(三つの樽;新納の棺;不知火;ニッポン・海鷹;南泉斬猫;瓢と鯰;髭のある自画像;雪のなかの標的;世木氏・最後の旅;ある密室の設定)
評論・随筆篇(『動機のない動機』の魅力;本格派の文学理論;惨殺された本格派;“伝奇”は虚構ではない―探偵小説の構成に関する一考察;新・本格派への待望―芭蕉は一人だけで沢山だ;本格派の陰謀―戦後派の探偵小説観;乱歩・文学の非文学)
著者等紹介
宮原龍雄[ミヤハラタツオ]
1915(大4)年、佐賀県生まれ。本名・龍男。若い頃には純文学の同人誌に関係し、アンドレ・ジイド論ほかを発表。40(昭15)年、佐賀新聞社に入社。49年に、『宝石』の100万円懸賞コンクールC級(短篇部門)に投じた「三つの樽」が『別冊宝石』に掲載され、翌年、3等に入選。51年の20万円懸賞短篇コンクールでは、「新納の棺」が優秀作として入選。その後も、地元佐賀の風俗と本格推理の興味を融合した中・短篇を三十作ほど発表したが、62年の「葦のなかの犯罪」で筆を断った(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
koo
9
名のみ聞くアマチュア作家宮原龍雄の短編集&評論集、本格不毛時代に本格にこだわった作品の数々が素晴らしい。トリックに拘泥しすぎ、探偵役含め登場人物に深みがないんですが同じ境遇の山沢 晴雄に比べれば遥かに読みやすくてちゃんと内容が頭に入ります(笑)やたらと名作古典がセリフに上がりネタばらし頻回なのは大きな減点ですが本格愛溢れた評論集込みで今なら許せます(笑)「三つの樽」「新納の棺」「不知火」が特に印象に残りました。これを纏めた出版社に敬意を表したいですね。2024/04/01
wm_09
1
心理トリック+リアリズム路線と機械トリック+衒学(+伝奇)路線の二つがあるという理解でいいだろうか。ベストを挙げるなら『新納の棺』『不知火』『瓢と鯰』あたり。「評論・随筆篇」での「文学派」への丁寧な反論も面白い。(稲)2011/06/01
kanamori
0
☆☆☆★2014/10/20