エラリー・クイーン論

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  • サイズ B6判/ページ数 397p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784846010577
  • NDC分類 930.28
  • Cコード C0098

内容説明

読者への挑戦、トリック、ロジック、ダイイング・メッセージ、そして“後期クイーン問題”について論じた気鋭のクイーン論集にして本格ミステリ評論集。

目次

第1部 女王の戴冠―エラリー・クイーン論(女王の起源―クイーン作品の目指したものについて考察する;女王の挑戦―クイーン作品の“読者への挑戦”について考察する;女王の動機―クイーン作品の“犯人の物語”について考察する ほか)
第2部 女王の棺『ギリシア棺の謎』はメタミステリ?
ギリシア・リフレイン―ギリシアの棺のいかに修繕されたか?
三つめの棺―ギリシアの棺は黄昏に開かれるか?
第3部 女王の難題“後期クイーン問題”論(探偵と“後期クイーン問題”―探偵は唯一の真相を提示できるか?;作者と“後期クイーン問題”―作者は唯一の真相を提示できるか?;推理と“後期クイーン問題”―推理は唯一の真相を提示できるか?)

著者等紹介

飯城勇三[イイキユウサン]
1959年宮城県生まれ。東京理科大学卒。エラリー・クイーン研究家にしてエラリー・クイーン・ファンクラブ会長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ホームズ

14
前半は面白く読めた(笑)しかし「後期クイーン問題」に話が及ぶと一気に失速してしまった感じがありますね。全体的に同じような内容を何回も繰り返し聞かされた感じがしてしまった。本格ミステリって色んな事を考えて読んでるんだな~って感心(笑)とりあえずクイーンの作品よりポーの作品を読みたくなった(笑)2012/04/12

鳩羽

4
作家クイーンが目指した現代探偵小説とは、クリスティなどの「意外な真相」ものではなく、「意外な推理」の方にあったとし展開していく。「意外な推理」に重点を置くため、推理以外のもの、真相も含め、手がかり、登場人物の常識や知性には意外性は必要なかったのかもしれない。事件を解決したエラリーが小説を書いているという体裁のため、小説におけるリアリティの問題も無視できず、そのリアリティがメタ視点の一つとなって後期クイーン的問題の無限階梯化を退けているのだろうか。2015/03/24

たかすみ

4
「意外な真相に対する意外な推理…フェアプレイ,読者に対して完全に示された手がかり→明快な推理,その推理に基づく意外な解決を作りえた.可能性の低い推理を説得力ある推理が裏付ける.読者に論理的だと思わせる推理→推理する可能性を広げる,偶然を必然に変える.あえて意外な真相を書かないことで意外な推理に引き付ける.犯人の物語ではない,探偵の物語.犯人の告白を書かない,犯人自体を書かない,動機を軽視する,犯人を記号化」といったように前半ではクイーンの作品のidentityの検証.後半は後期クイーン問題について. 2012/10/06

kokada_jnet

4
クイーンは数冊しか読んでいない自分でも、このマニアックすぎる本は面白かった。クイーン小説内の論理構造を、クイーン的な手法で、執拗に分析。笠井潔や法月綸太郎らのクイーン論の抽象性を批判している部分に、納得。「(野球や将棋やチェスなどの)対人ゲームには、究極の解はない。だからこそゲームとして魅力的」と。2011/04/28

みい⇔みさまる@この世の悪であれ

3
☆×4.5【リク受け本】…これを読むのは一応、全作品を読んだ人じゃないとお勧めはしません。それと有名どころの作家の有名作品も数作品抑えておかないとネタバレという手痛い目に遭います。かなり本格的なエラリイ含め、有名どころの考察論。なぜエラリイの作品が他の作品と違うかがよくわかることでしょう。そう、有名どころのほかの人とは「ある点」が違うのですから。メインは「シャム双子の謎」です。この作品はある要素がなぜ欠けているか…この部分は非常に面白いなと思いました。2010/10/19

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