内容説明
宿無し一文無しのルンペン、リュジュ・アンフェルマン。性別不詳の巨人で、野生の小鳥を食べるラ・クロデュック。この奇妙な二人が、修道院に閉じこめられているラ・クロデュックの娘を助けに行くことに。その道中では、まともなことは一つも起こらない。奇想天外、ハチャメチャな二人の行く末とは…。『ウサギ料理は殺しの味』のシニアックによる、度胆を抜かれる奇天烈放浪記。
著者等紹介
シニアック,ピエール[シニアック,ピエール][Siniac,Pierre]
1928~2002。本名ピエール=ミツォス・ザカリアディス。パリ生まれ。技術専門学校を辞めたのち、役者、職人、画家、運転手など点々と職を変える。1958年に作家デビューし、68年にセリ・ノワールからLes Morfalousを刊行。その後も精力的に作品を発表し、81年に長編Aime le Mauditと2冊の短編集でフランス推理小説大賞を受賞
小高美保[オダカミホ]
フランス語翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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一柳すず子
1
デコボココンビ(貧相な男とデッカい男女)の珍道中。大して魅力あるとも思えないリュジュをクロデュックが追っかけて一緒にクロデュックの娘を救いに行く。スラップスティックを愉しむ本。2017/11/06
madhatter
1
本作は少なくとも推理小説ではない。『ウサギ料理』の作者らしく型破りと言うより、『ウサギ料理』のような、例えば「推理小説」といった「型」がないため、余計にブッ飛んでいる観がある。一応、ラ・クロデュックの娘救出という筋はあるが、ベストパートナーとは言い難い二人が、とにかく脇道に逸れまくりなので、それすら意識する必要は(あまり)ないのかもしれない。正直私は、16章位までシトロネルの存在など忘れていた(笑)。その場その場の些か不道徳でシュールなユーモアを楽しむべき作品だろう。2011/09/29
qoop
0
奇妙な設定、奇妙な人物、奇妙な会話に奇妙な物語。そして、人好きしないものの若干共感してしまう語り手... ある種の翻訳小説に求める要素がほとんど備わっている。2010/10/20