内容説明
競売会で競り落とした一冊の古書から、ある屋敷に財宝が隠されていることが明らかになった。アデア少佐はメンバーを集めて宝探しを始める。ほどなく財宝の一部と見られる宝石が見つかったが、その直後に少佐は密室で殺害される…。第一部はワトスン役のアントニー・パードンの一人称で、第二部はビール主任警部の一人称で描かれており、それが密室トリックに関係している緻密に計算された英国本格ミステリ。
著者等紹介
ペニー,ルーパート[ペニー,ルーパート][Penny,Rupert]
1909~70。本名アーネスト・バジル・チャールズ・ソーネット。英国コーンウォール生まれ。第二次大戦中は英国政府暗号学校に、戦後はその後身である政府通信本部に勤務。1936年にThe Talkative Policemanでデビュー。ほかにマーティン・タナー名義でもスリラーを発表している
熊井ひろ美[クマイヒロミ]
東京外国語大学外国語学部英米語学科卒。英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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cinos
5
読者への挑戦状はうれしかったです。でもスパッとした真相が好きなので、ちょっと期待はずれでした…2010/03/16
ふう
4
事件起こるまでが長っ。"宝石が見つかったがその直後に少佐は密室で殺害される"はずなんだけどw 読後に、別に一部と二部で語り手が代わらなくてもこのトリックいけるんじゃないか…とちょっと思ったが、語り手変更しないとあまりにアンフェアで、だって"私"見てないからわかるわけないじゃんとなってしまい一気につまらなくなっちゃうからね。今から72年も前に書かれた密室トリックだが現代でも意外と通じそう。二つめの要素にあたるきっかけ?のトリックが○。本能だもんねーあれにはみんな引っかかりそう。2011/01/02
にゃー
3
地味だけど嫌いじゃないな。トリックもそう来るかって感じ。謎解きの見せ方がイマイチかも。読者への挑戦状を挟んだらそれ以降も魅せねば。2010/07/26
wm_09
3
宝探しに密室に読者への挑戦と外連は十分なはずが、展開も解決も驚くほどの華のなさ。この堅実さを楽しめる人もいるのかもしれないが。カバー見返しにも書いてある仕掛けはよくできていると思うし、「挑戦状」に対するロジックも厳密性は薄いが無数の細かい伏線の満足感がある。(稲)2010/05/02
kobibun
2
恥ずかしながら著者の名前は全く知らなかったが、読者への挑戦があるという事で読んでみた。なかなかロジカルで面白かったけど、これを全部当てられる読者はいるのか疑問だった(負け惜しみ)。さすがに宝探しの解読は無理でしょう。2013/05/07