内容説明
ギャングのエンジェルはボスに命令されて、墓に埋葬された仲間の死体を掘り返しに行った。どうやら25万ドル相当のヘロインを身につけたまま埋められたらしいのだ。だが、死体は墓から忽然と消えていた!死体を追って奔走するエンジェルの行く手に、謎の女や警官が立ちはだかる。それぞれの思惑が入り乱れて…。ウェストレイク初訳長編のユーモアミステリ。
著者等紹介
ウェストレイク,ドナルド・E.[ウェストレイク,ドナルドE.][Westlake,Donald E.]
1933~2008。ニューヨーク、ブルックリン生まれ。ニューヨーク州立大学入学後、1956年から空軍に入隊。60年に長編デビュー作『やとわれた男』を上梓する。以後、リチャード・スターク、タッカー・コウ、サミュエル・ホルトなど、さまざまなペンネームで多数の作品を発表。また、映画の脚本家としても活躍した。93年にMWA巨匠賞を、97年にアンソニー賞巨匠賞を受賞している
木村浩美[キムラヒロミ]
青山学院女子短期大学児童教育学科卒。英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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keroppi
88
【ドナルド・E・ウェストレイク誕生日読書会’21】え、死体を掘り返せって。あれあれ、死体が消えている。いったいなんてことに巻き込まれちまったんだ。懐かしく楽しい映画を観るような展開だが、映画化もされていたようだ。観てみたいものだ。2021/07/04
☆よいこ
87
ユーモアミステリー。若いギャング幹部のアイロシャス・エンジェルはボスの命令で墓を掘り返しに行く。死体の着ている青いスーツにはヘロインが隠されていて、それを回収する仕事だった。ついでに裏切り者のウィリーに穴掘り労働させて殺して埋めてこようと計画した。しかし棺桶の中は空っぽで、ウィリーにも逃げられる。事情をきくために葬儀屋にいくと社長が死んでいた。エンジェルを犯人呼ばわりする謎の女性マーゴの正体は?消えた死体はどこに?▽イベント【ドナルド・E・ウェストレイク誕生日読書会’22(7月1日~7月15日)】参加本。2022/07/20
ずっきん
76
【ドナルド・E・ウェストレイク誕生日読書会’19】ギャング組織の若手幹部アロイシャス・エンジェル。棚ぼたで幹部になったというだけあって、ダーク臭は皆無(笑) 消えた死体を探して1960年代のニューヨークを駆け回るスラップスティックなクライムミステリ。'66年の初期作品だが、日本での刊行は2008年なので驚くほど読みやすい。過渡期の作品だからか、翻訳者さんが違うからか、シットコムを観ているようなユルさと洒落っ気。そんなあんたのも若さも嫌いじゃない。いや、すごく好きだな。ウェストレイク♪お誕生日おめでとう!2019/07/12
マリリン
51
面白かった! ギャングなのに名前はエンジェル。コミカルでミステリアスでお洒落な本作は、既読のウエストレイク作品の中で一番好きかも。...やけに細い手にしては温かかった。栄養不足だがきれいな小鳥を抱いているようだった...という表現が印象深い(色々な意味で)。インパクトの強いタイトルの意味はよく解らず。読みながら何度も吹き出しそうになり愉しい読書だった。 おお、今日12日が誕生日! おめでとうウエストレイク。ありがとう。愉しい作品を読めて幸せ。【ドナルド・E・ウェストレイク誕生日読書会’23】参加作品。2023/07/10
おりん
38
そこそこ面白かった。良作。ハードボイルドな主人公の、比較的軽いタッチで描かれたミステリ。翻訳物だが読みやすく、どんどん読めた。主人公のキャラクターが良い。紳士的でギャングらしくないギャング。実際にはこんな人がギャングの幹部にはなれないんだろうなとも思う。軽いタッチと主人公のハードボイルドさがミスマッチというか、どちらにも徹しきれておらず、中途半端な感があるのが残念だった。2018/07/21