内容説明
非実体主義とは、そこに存在しないものに価値を見出す。たとえば、画家が靴紐のとれたブーツを表現しようとすれば、靴紐だけを描く。この奇妙な芸術集団の展示会で事件は起きた。死体が彫刻の中から発見されたのである…。著者は英国ミステリ界の巨匠ジュリアン・シモンズ、章ごとに語り手が入れ替わる趣向を凝らした作品。スラップスティックな展開と謎解きが堪能できる一冊である。
著者等紹介
シモンズ,ジュリアン[シモンズ,ジュリアン][Symons,Julian]
1912~94。ロンドン生まれ。速記タイピスト、秘書、コピーライターなどの職を転々としたのち、1937年に詩の雑誌『20世紀の詩』を創刊。39年には詩集Confusions About Xを刊行している。ミステリでのデビューは45年の本書。『殺人の色彩』(57)でCWAゴールド・ダガー賞、『犯罪の進行』(60)でMWA最優秀長編賞、CWAシルヴァー・ダガー賞を受賞。また、『サンデー・タイムズ』紙で筆を執った書評活動や、MWA最優秀評論賞を受賞した『ブラッディ・マーダー』(72)の出版、CWAの創設など、多方面に活躍。その功績が認められ、82年にMWAから、90年にCWAからそれぞれ巨匠賞が贈られた
多田昌子[タダマサコ]
東京都立大学理学部卒業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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