内容説明
この小説は朝鮮戦争が終わり、二十年あまりの歳月が流れたあとにも、決して癒えることのない悲劇的な傷痕がいかにして生じたのか、その原因を追究することに焦点を当てている。主人公の刑事は、連鎖殺人事件の背後にひそむ戦争の傷痕を粘り強く追跡していく。その過程で彼は深く巨大な悲劇の根源に無力感を覚え、結局虚無にとらわれてしまう。一九七四年に『韓国日報』長編公募に当選し、一年にわたって新聞に連載された、著者の長編推理小説デビュー作。韓国ミステリー史上、最高傑作。50万部突破のベストセラー、ついに邦訳。
著者等紹介
金聖鍾[キムソンジョン]
1941年中国山東省済南市生まれ。韓国の全羅南道で育つ。現在、韓国推理作家協会会長。69年、短編小説「警察官」で文壇デビュー。74年、『最後の証人』が『韓国日報』紙に連載され、大反響を巻き起こす。以後、本格的に推理作家としての活動を開始し、現在韓国のミステリー界では巨匠的存在。大作『黎明の瞳』全10巻がMBCの大河TVドラマとして91年に放映されるなど、TVドラマや映画になった作品も多数ある。92年、釜山市内に推理文学館を建て、推理関係図書を中心に約4万冊の蔵書を収集し、322席の閲覧席を設けている。釜山市在住(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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のんぽれ堂
1
「謀られた事件の闇が少しずつ正しき光に照らされる」2025/04/20
山男777
1
小説の背景が韓国なので賄賂文化がみられ、日本と慣習の違いがおもしろいと思った。日本も多少の賄賂があるが、社会にそんなに抵抗無く受け入れられているのには驚き。国が違えばそれも有りかと。2011/11/04
ミネチュ
0
40年くらい前に書かれた小説ですが、数年前に日本語訳が出たばかりみたいです。 智異山にこもったパルチザンや朝鮮戦争が関係する推理小説らしい。 いよいよこれから…ってところで(上)は終わり。続きが楽しみ!2013/07/06
kozawa
0
中途半端だった映画化『黒水仙』よりはいいんじゃない?2011/04/16
analjustice
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チャイルド44に近い印象を受けた。いい上巻だと思う。2009/04/28