内容説明
日本との国交が樹立された直後の1960年以来、“激動のインドネシア”にとどまり、50年にわたってビジネスを展開してきた男の物語!インドネシア現代史の碩学による聞書で再現。
目次
第1章 インドネシアへの道
第2章 ジャカルタへ
第3章 自立のとき
第4章 新たなる挑戦へ!
第5章 飛躍を求めてシンガポールへ
第6章 再びのジャカルタ
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Willie the Wildcat
17
真摯な人柄、分け隔ての無い言動。だからこそ、全てを失った後も継続する”人脈”が、氏の資産。JETRO社員への一喝、そして”毛髪”事業撤退の姿勢が、氏の人格、価値観を如実に表す。本著は、インドネシアの政情や歴史を通して、戦後の高度成長期の過程も、垣間見ることができる。(贈収賄などの土壌にもなったと推察するが)特に、”戦後賠償”を通した日本産業界の成長促進。それを支えた高い技術。当時の開拓精神を強く感じる。読後のこの気持ちを忘れないようにしたい。2013/03/24
はりねずみ
5
戦後の賠償事業を契機に29歳でインドネシアに渡って以来50年、そこで数々のビジネスを手がけてきた桐島正也の回顧録。彼はデヴィ夫人をインドネシアに連れてきた陰の立役者だ。スカルノ元大統領の人間味が感じられるエピソードだったり、婚前にデヴィ夫人との関係をカモフラージュするための工作話などが興味深い。何の保証もない異国の地で生きていくために氏は何でも屋的に立ち働いた。小商社の一社員が、いかに制約を潜り抜けてスカルノの信頼を勝ち取り、大事業を手がけたか。頭髪売買、ギャング達からのたかり…当時の様子が鮮明に浮かぶ。2016/05/27
Takahiko Ueno
4
桐島正也さんという、在イ50年を越える方の回想録。スカルノ大統領とデビィ夫人を結び付けた人であり、広告業(H社が主だが、、、、)飲食業(レストランSHIMAの創業者?)、ゴルフ場のパームヒルの設立者であり、Jクリニックの設立者でもある実業家。話はあちこちに飛ぶので追うのが大変だが、桐島さんから観た当時のインドネシアの様子がよく伝わる。インドネシアがわからない人が読むと頭に入りにくそうだが、慣れた人が読むとすんなり入るし、桐島さんとインドネシアの関係にワクワクしながら読める。2014/06/02
pico
0
著者は政治学の研究者。だとすれば、デヴィ夫人を連れて行く話とか、そもそも人権の視点から言うと、フツーに語っちゃっていいのかな、と思う。それでも賞賛に終始しているのは、同書が研究書でなく回想録であること、そして桐島氏が人間的魅力に満ちた人であり、また氏のインドネシア人のためにという気持ちにウソはないことを、直接知っているからであろう。インドネシアという国、桐島氏(在50年)、著者(在40年)への興味を大いに書き立てられた。2014/10/18