内容説明
サンフランシスコの屋敷で、オペラ歌手である美しい女性と四人の男が一堂に会した。四人の男は全員がその女性の別れた夫。それぞれの思惑が交錯するなか、突然その女性が殺害される。ある調査で屋敷に招かれていたホノルル警察のチャーリー・チャン警視が捜査にあたる。愛憎入り乱れる事件の鍵を握っているのは誰か。中国系アメリカ人チャーリー・チャン最後の事件、ついに邦訳。
著者等紹介
ビガーズ,E.D.[ビガーズ,E.D.][Biggers,E.D.]
1884‐1933。アール・デア・ビガーズ。アメリカ、オハイオ州生まれ。ハーヴァード大学を卒業後、新聞で劇評などを担当。1913年に発表したミステリ小説Seven Keys to Baldpateが舞台化され好評を得る。25年に中国系アメリカ人チャーリー・チャンを探偵役に据えたシリーズ第1作『鍵のない家』を上梓。その後計6作を発表する
文月なな[フミズキナナ]
北海道大学文学部行動科学科卒。インターカレッジ札幌にて翻訳を学ぶ(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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紅はこべ
84
真相を知ってから、原題の『KEEPER OF THE KEYS』の意味を理解。鍵を管理する者と、事件の鍵を握る者の双方の意味があるのかな。中国人の使用人を最大容疑者とするミステリとしての禁じ手を堂々と使用。チャーリーは中国の諺をやたらと連発するが、知っていたのは「李下に冠を正さず」だけだった。2017/05/08
ホームズ
23
元夫4人が集まる場所に招かれていく被害者の神経が凄いな(笑)もう異常な状況だし(笑)事件としては単純であまり面白味はないかもしれない。チャーリー・チャンが依頼された息子探しもなんとなく中途半端な結末になってしまった感じがするし。もう少し複雑に絡み合ったくらいが良かったかもしれない(笑)2013/07/04
Genei-John
3
浜田知明氏の解説で、本作からシリーズを読み始めるのは避けたほうがよく、古書の入手も比較的容易なので出来れば順を追って読んで欲しいとあるが、数年前に復刊された「チャーリー・チャンの活躍」以外はやっぱり入手難しいのではないかと思うのだが。2015/02/12
ホームズ
3
ある女性の元夫たちの集まりに招かれたチャン警視。とりあえずそれだけで異常な状況ですが(笑)そこで起きる殺人事件。犯人は分かりやすいかな(笑)ちょっと不満もある感じ。『チャーリー・チャンの追跡』や『チャーリー・チャンの活躍』の方が楽しめたと思う(笑)2008/12/15
ボブ
2
追跡、活躍と来て本作、オーソドックスで尚且つ面白い。チャン警部と関係者の友情が育まれ別れのシーンは中々感動的、若いロマンスが生まれるのも恒例か、追跡、活躍はかなり傑作だと思う。2022/11/07