感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kubottar
27
ブックオフが生まれた理由は、それまで出版業界が作ってきた「読書人」から「消費者」に変わってしまったことを理由にしてるところがおもしろかった。読書人は本を大事にする人たちだったが、大量生産・大量消費・大量廃棄に移行するに従って本をただの消費物として扱う人たちばかりになってしまった。山のように捨てられるゴミである本をリサイクルするために生まれたブックオフを筆頭にする新古書店は一見、新たな勢力に見える。が、それは出版人からしたら色々納得がいかない人たちで・・といった内容。正直面白かった。2017/01/07
星空の挑戦者
10
本書の冒頭に中世における読書論の理想が表されている。「ひとり淋しく懐中電灯の下で本を広げて、昔の文筆家たちと友情関係を育むことは、安心できて、楽しさのあまり心臓が停止してしまうぐらいに心が穏やかになる。」出典: 徒然草 (吉田兼好著・吾妻利秋訳) つまり読書とは見ぬ世の人を友とし、書物を通じ見ぬ世の人との対話である。流通がない時代だからこそ読書の価値は増幅されるが、その後、印刷、流通、電子化、リサイクルなど書籍そのものの価値は大変化をみる。アマゾン、ブックオフそしてアイパッド。今まさに激動期だと実感した。2010/11/19
まろ
4
ブックオフとは、本そのものの価値を見てるのではなく、本を「商品」として扱っている商売だと思った。いいことだとは思わないが、時代の流れでもあるし、多様な価値観が生まれてきてるということだと思うからいいとも悪いとも感じなかった。ただ、出版業界の現状は厳しいものだと感じた。本好きとしてはなんとか打開策を打ち出してほしいなぁ。2013/09/08
Akio Kudo
3
★★★ 今ではブックオフも容赦なく撤退している。そのことを考えると、時代の変化にブックオフも出版業界が適応出来なかっただけではと思う2021/04/23
みららら
3
出版業界の厳しい面を見ながら、廃棄されてく本がモノとして扱われる様子が悲しかった。新古本屋って言葉は的をえていて、本そのものの価値なんて関係なしに、新しいか汚いかで価値をつけるのってなんだかひどい。2012/07/20