内容説明
初めての奇妙な味、懐かしの奇妙な味。かぶと虫、蛙、火星人、タオル…奇想作家ディックの真骨頂。
著者等紹介
ディック,フィリップ・K.[ディック,フィリップK.][Dick,Philip K.]
フィリップ・キンドレッド・ディック。1928年シカゴ生まれ。カリフォルニア大学に入学するも兵役忌避のため退学。52年に短編「輪廻の豚」でデビュー。代表作に、ヒューゴー賞を受賞した『高い城の男』(62)、『ヴァリス』(81)などがある。また、『ブレードランナー』などのSF映画の原作者としても知られている。82年没
仁賀克雄[ジンカカツオ]
1936年横浜生まれ。早稲田大学商学部卒。評論家、翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
1 ~ 1件/全1件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
eirianda
17
ディック初心者の私。短編にしては設定が長編のようで、気を引き締めて読まないと置いていかれる作品も多々。異星人との争いは、民族、人種間の争いと重なり耳が痛いな。2018/01/26
仮ッ子
6
「奇妙なエデン」で、その一線越えたらダメでしょう!とジリジリし、「造物主」のオチに安堵し、「根気のよい蛙」の滑稽さにクスリとし、「植民地」の読後の荒涼感にゾッとし。『異なるもの』を描くと一口に言っても、こんなに多様に料理できるものなんだなぁ2009/05/04
けいちゃっぷ
6
久々にディックの初期短編を堪能しました。やはり、ディックは翻訳者も書いているように初期の短編がいいですね。しかし、またも初訳がないとは。どんな駄作でもいいから、初訳か単行本未収録のを一つくらい載せてくれよな。337ページ2009/04/14
つるら@turulaJB
5
読了 仁賀克雄訳 論創社 2009.2 ■全10冊の叢書に2冊もディックをねじり込む仁賀克雄・・・■4編ほど既読2018/10/30
三谷銀屋
2
レトロフューチャー的なSF世界観と皮肉なオチが効いている。どう足掻こうと予め定められた運命の歯車に呑み込まれていってしまう人間達。平凡な男が雨の日に助けたエルフ達に「王」として祭り上げられてしまう「矮人の王」は、現実と夢想の境目が曖昧になっていく雰囲気が良かった。エルフ対トロールの戦いは彼の妄想かも、と思いつつ、最後は現実の滅びを示唆しているようで不気味だった。火星人に不思議な哀愁と同情が感じられる「火星人襲来」、美しい星の奇天烈な脅威に地球から来た入植者達が翻弄される「植民地」も印象的だった。2022/10/18