著者等紹介
ボウモント,チャールズ[ボウモント,チャールズ][Beaumont,Charles]
本名チャールズ・ラロイ・ナット。1929年シカゴ生まれ。少年時代から書物に接し、17歳のときにブラッドベリを訪ね、作家を志すことを決心する。51年、「悪魔が来たりて―?」が「アメージング・ストーリーズ」に掲載されデビュー。その後、短編小説をSF誌や「プレイボーイ」などで発表。50年代後半からはTVや映画の脚本家としても活躍した。ドラマシリーズ『トワイライト・ゾーン』で製作を担当したことは有名である。64年にアルツハイマー病と診断され、67年に38歳で夭折
仁賀克雄[ジンカカツオ]
1936年横浜生まれ。早稲田大学商学部卒。評論家、翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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星落秋風五丈原
35
「残酷な童話」皆狂ってたというオチ。何で早く男は連れ出してやらなかったのか。「ただの土」土にこだわりここまでいくか。「消えゆくアメリカ人」存在感がないってことなのか本当に幽霊なのか最後になるまでわからなかった。2020/08/31
藤月はな(灯れ松明の火)
28
息子、ボビーを娘として扱い、罰としてボビーの大切にしていた動物たちを殺害する母に心を壊される様子を描いた表題作の救いのなさに落ち込むことになりました。しかし、続く「消えゆくアメリカ人」は爽やかすぎて元気づけられました。「ただの土」の対価を払わずに恩恵だけをもらう肥え太った男のブラックな結末にニヤリ。「変態者」は同性愛がマジョリティとなり、異性愛がマイノリティとなった世界の話。ラストのマジョリティへの依存に委ねるという結末は『自由からの逃走』を連想し、『予期せぬ結末2』の「変身処方」と真逆で興味深かったです2015/02/02
eirianda
19
ボーモントは初読み。 奇妙な味。好みの短編集でした。文字をしっかり追っていかないと、話の展開から取り残されることしばしば。集中できないのは私が悪いのか!歳かな?2018/01/13
くさてる
19
ホラーと奇妙な味がブレンドされた幻想味が強い短編集。名作揃いなだけあって、アンソロジーなどで既読の作品もいくつか。それくらい粒揃いということです。初読の作品の中でのお気に入りは、ある日街に現れた連続殺人犯の噂によって、孤独な中年女性が陥ちいる熱情と闇の描写が生々しかった「飢え」。狂信的な母親と過ごしているこどもの自意識の芽生えとそれがもたらす運命を描いた「残酷な童話」、孤独な女性が誤解から生まれた恋によって支えられ、己の人生をその夢に委ねていく「フェア・レディ」などです。2015/10/28
mejiro
7
「残酷な童話」「消えゆくアメリカ人」「自宅参観日」「子守唄」「飢え」がおもしろかった。いろんな趣向があり各短編ごとに違う余韻が残った。訳が物語に合っていて読み心地がよかった。 2015/01/08