内容説明
奇才ディックの初期傑作短編集。
著者等紹介
ディック,フィリップ・K.[ディック,フィリップK.][Dick,Philip K.]
フィリップ・キンドレッド・ディック。1928年シカゴ生まれ。カリフォルニア大学に入学するも兵役忌避のため退学。52年に短編「輪廻の豚」でデビュー。代表作に、ヒューゴー賞を受賞した『高い城の男』(62)、『ヴァリス』(81)などがある
仁賀克雄[ジンカカツオ]
1936年横浜生まれ。早稲田大学商学部卒。評論家、翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
157
長編よりも楽しめる作品が多く、映画化ができそうな作品がたっぷりありました。13の作品がありますが、仏教の考え方があるような気がしました。輪廻転生や因果応報などです。表題になっている最後の作品などをはじめとして、結末がかなり暗澹たる気持ちにさせてくれるものが多い割には読後感は悪くはありませんでした。そのほかの短篇も読みたい気がします。2017/02/21
kurupira
10
初期のディック短編集だがどれも洗練されていて楽しめた、最後数行のオチが秀逸。いつもの長編より分かりやすく、こっちの方が今の時代に合ってる気がしました。初期のころからアンドロイド物が好きだったのかなー2016/06/03
いけしか
8
図書館本。ディックは初読。数々のディストピア作品の原作となっているディック作品なのでそこそこ重厚な世界観を期待したが、短編なのでどちらかというとさらっと読めるホラーSFが多かった。「やっぱり一番怖いのは人間…」的なホラーばかり最近読んでる気がしたのでこういう「未知の存在が怖い…」的なホラーもいいと再確認できた。人間狩りも良かったが、個人的にはハンギングストレンジャーがうまくまとまってて気に入った。なんとなく星新一を思い出してしまうのはやっぱり星作品に毒されすぎてるのかな…と思う今日この頃である。2019/05/01
リコ@りぃ
5
うちのパパは偽物かもしれない、隣の人はロボットかもしれない、得体の知れない生き物が我が家の地下に巣を作っているかもしれないーー子どもの時に意味もなく考えてゾッとした妄想のあれこれを詰め込んだような、悪夢的な短編集。フィリップ・K・ディックは「現実を疑う」系の話が本当に上手い。時代背景もあってか反戦的な内容が多いのですが、そんなに説教臭く感じない。最後に主人公と読者を突き放すようなブラックなオチも、なぜか読んでて気持ちよいのです。バッドエンド好きならニヤニヤしながら読んじゃうかも。2019/12/02
Tsz
5
ディック短編集。 いつも通りの現実崩壊感と悲観的なラスト。 ディックは現実に絶望していたのだろうか。 短編としては地図にない街と同じくらい面白い。ディック好きにはおすすめ。2015/04/29