内容説明
屋敷の一室で女主人の遺体が発見された。心臓を貫いた弾丸、傍らには被害者の指紋がついたリボルバー。争った形跡はなし。事故か自殺か、あるいは殺人か。死亡直前に被害者の背後で足を止めたのは誰なのか。ロンドン警視庁のポインターが地道で緻密な捜査を続けた結果、浮かび上がる意外な真相…。ヴァン・ダインが称賛したことで知られ、戦前より幾度となく邦訳刊行が予告されてきた『停まった足音』が、ついに日の目をみる。
著者等紹介
フィールディング,A.[フィールディング,A.][Fielding,A.]
1884~19??。本名ドロシー・フィールディング。イギリス生まれ。1924年に『仮面の殺人』でデビュー。生涯で25作の長編ミステリを発表。そのほとんどにロンドン警視庁のポインター主任警部が探偵役として登場する
岩佐薫子[イワサカオルコ]
1964年生まれ。北海道大学卒業。インターカレッジ札幌在籍中(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
maja
21
屋敷の一室で死体となっていたタンジ夫人。彼女は身辺整理を済ませて自死したかにみえる。だが、当日に姿を消してしまった訪問客や部屋に面した庭で不穏な足音を聞いたと怯えるメイドなど不可解なことが・・。ロンドン警視庁主任警部ポインターが次々と湧きあがる疑問を追跡していく。タンジ夫人の死を巡ってとりとめもなく地味に広がる推理でいよいよ謎は深まる。終盤くるりと反転するように現れるドラマに感嘆する。思いも寄らない犯人に驚いた。2025/03/06
飛鳥栄司@がんサバイバー
7
冒頭から自殺か事故か他殺かの真っ向勝負が始まり、序盤は関係者の証言と現場状況から自殺と他殺の意見対立が続いて行く。若干冗長気味に対立が進んで行くが、中盤に新たに遺言書が発見されてから、他殺説で推し進めていく。終盤はある秘密が暴かれてからは一点突破で意外な犯人の登場で幕引き。ミステリとして線が細い印象で、殺人に紐づけていく謎と証拠が決定的ではないように感じた。ただし犯人は意外な人物であり、そこに着地するまでの伏線の引き方は上手かった。退屈感は否めないが、それもこの作品の良さだと思う。主任警部の頑固さは魅力。2014/11/19
ボブ
3
出だしから死体が出てきて読者を惹きつけます、自殺、他殺、動機ある多数の人物、犯人の検討が2転3転4転し地味どころかダイナミックに推理が展開しめっちゃ面白い!!ラスト近くある人物の過去を巡る旅から驚くべき犯人!!1926年の作品ながらめっちゃ面白い!!2023/11/11
氷沼
1
ポケミスをはじめ、様々な叢書に出版予告はされながらも数十年に渡り出版されることのなかった、ヴァン・ダインが褒め、鮎川哲也が翻訳出版を切に願っていたという、文字通り「幻の名作」。 内容は、普通の警察官が足を使って地道に捜査していき真相を突き止めるタイプ。 超人的頭脳の探偵ではないので展開は地味なものの、プロットはよく練られており、中々どうして中弛みなどせず飽きずに楽しめた。2024/04/02
kanamori
0
☆☆★2014/09/23
-
- 和書
- 評伝天草五十人衆