内容説明
バカラ賭博で莫大な借金を負ったバニーは、友人ラッフルズに助けを乞う。それが、二人の冒険の始まりだった…。青年貴族ラッフルズが、スポーツマンシップにのっとり、大胆不敵に挑む盗みの事件簿。甘く危険な友情とサスペンスが織りなす異色ピカレスク!「アルセーヌ・ルパン」に先駆け描かれた、「泥棒紳士」の短編集第1弾。
著者等紹介
ホーナング,E.W.[ホーナング,E.W.][Hornung,E.W.]
1866年、英国ヨークシャー生まれ。アッピンガム・スクールを卒業後、豪州に渡り2年後に帰国。1893年、コナン・ドイルの妹コンスタンスと結婚。有名にしたのは『A・J・ラッフルズ』シリーズであり、「泥棒紳士」という新しいキャラクターの確立に成功し、高い評価を得るに至った。1914年に第一次大戦で一人息子を失った後、ミステリの発表は途絶えた。自身も戦線に臨み、戦後は南仏で隠棲した。1921年死去
藤松忠夫[フジマツタダオ]
1935年神奈川県鎌倉市生まれ。東京大学法学部卒。日本航空に入社し、米州地区広報部長、JALインターナショナル・サービス社会長を歴任。現在、TFC(The Fujimatsu Corporation)社長。ニューヨークを拠点に、日米間の各種文化交流事業を手がける。新聞、雑誌などにエッセイ、コラムを多数連載
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感想・レビュー
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夢追人009
289
論創海外ミステリの3冊目はルパンの先駆者のイギリスの泥棒紳士ラッフルズと相棒バニーの冒険友情物語の一冊目ですね。原題は「素人押し込み強盗(金庫破り)」で、訳題には軽快さがあって良いですね。でもこの二人は共に金持ちの通う私立校から社会に出て金に苦労した挙句に楽をして手っ取り早く稼ごうと盗みをやる訳で額に汗して働きもしないだらしない人間で、フランスのルパンが貧しい人を助ける姿とは月とスッポンの差がありますね。まあでも道徳的な事は置いといて痛快で庶民にとって夢のヒーローみたいな愛され方をしたのかも知れませんね。2021/09/12
夢追人009
125
怪盗ルパンよりも9年早く発表された‘泥棒紳士’の先駆者ラッフルズと相棒バニーの活躍をまとめた記念すべき第一短編集です。日本での知名度は低いですが、英国での人気は高くて、あのホームズ探偵談に7年遅れて雑誌連載されました。ホームズ物語にワトソン医師・レストレイド警部という名脇役がいるように、ラッフルズには友人で相棒のバニー・敵役マッケンジー警部がいます。ホームズの成功にあやかろうと書かれたせいで随所に影響が見られますが、推理や謎解きよりもサスペンスと男同士の友情物語としての味わいがシリーズの読ませ所でしょう。
へへろ~本舗
4
う〜ん、何だろう。ブロマンス的な感じ?バニーちゃんったらラッフルズが口説いてる女の子に嫉妬したりして…。でも、話にはのれなくて読むのに時間がかかった。2017/01/07
ホームズ
4
ルパンと比べてしまうと少し華麗って感じではなかったですね~。結構失敗してみたりしてましたし、相棒のバニーは犯罪に対して抵抗があったりしましたしね。もう少し割り切って泥棒してくれると楽しめるんですけどね(笑)作者は違いますけどルパン・シリーズのプロトタイプ的な雰囲気なんですかね~。2009/11/26
ホームズ
3
泥棒貴族ラッフルズ登場。2007/09/07