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ルーゴン=マッカール叢書
プラッサンの征服

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  • サイズ A5判/ページ数 441p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784846004361
  • NDC分類 953
  • Cコード C0097

内容説明

政治と宗教の暗躍する地方都市・その征服こそパリ・ブルジョワの勝利―。謎めいた司祭フォージャ母子がムーレ家に下宿。一家に不気味な暗黒が流れ込む。勝利を掴んだフォージャは、ムーレの狂気の逆襲で一転、火中に燃え尽きる―。

著者等紹介

小田光雄[オダミツオ]
1951年静岡県生まれ。早稲田大学卒業。出版社の経営に携わる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

兎乃

28
ルーゴン•マッカール叢書第4巻。貪欲のルーゴン家と怠惰のマッカール家の血が混交し、狂信のムーレ家の物語が始まる。叙述は微細綿密、怪僧フォージャは南仏プラッサンの町を征服していく中、平凡で親切なムーレ夫妻(ルーゴン=マッカール家系中、義理のいとこ関係)を 徹底的に崩壊•破滅に追いやる。ゾラは読者に対し 一切の夢も希望も お安いセンチメンタルを与えない。恋を覚えたマルトの描写 その断章が唯一の救いか。当時の文壇から全く無視された力作。叢書の読了まであと何km?のフルマラソン中にて。描写に満腹状態。2014/02/17

ラウリスタ~

15
知名度の低さの割には面白いという噂は本当だ。「怪僧が町のご婦人方を告解室から懐柔し、選挙で皇帝派を当選させる」という政治ストーリーと、「下宿人(怪僧)にホの字になった女房が、子供と夫を追い出し、僧侶とその親族が家を乗っ取る。精神病院に閉じ込められた主人が、家を放火」というスティーブンキングも真っ青なホラーという家族ストーリーとが絡まりあって、強烈な映像美を読者に残す作品だ。「怪僧」と思われるフォージャだが、実は不器用な男で、家主女房のマルトが想像以上に信心に目覚め、暴走し、それを止められなかった被害者。2017/11/27

きりぱい

8
叢書第4巻。穏やかな日常を、下宿人のフォージャ神父によって侵されてゆくプラッサンのムーレ一家。プラッサンは1巻でルーゴン家のピエールが地位と富を得た場所であり、ムーレの妻はそのピエールの長女。ムーレ自身もピエールの甥で、1巻で重い役を果たしたシルヴェールの兄でもある。知らず神父に操られてゆく様は薄気味悪く、ムーレ夫妻の顛末は、いつの間にこんなことに!と思わずにはいられない痛ましさ。悪党の匂いを感じさせない?神父とルーゴン家、最後に笑うのはどちらなのか?スリルで読ませる。2011/01/30

ろべると

7
ルーゴン=マッカール叢書の第4巻。南仏の街プラッサンを舞台に、平和な一家の許に現れた神父がその家に入り込み、やがて妻は神父に対する宗教的熱狂のあまり、また夫は家庭の崩壊のために、それぞれ発狂に至る。神父は街を支配し、その頂点に立とうとするが… 凄まじい話だ。ラスプーチンかサヴォナローラを思い起こさせる怪僧ではあるが、彼のおぞましさよりは、むしろ平穏な日々を送っていた市井の人々が、闖入者によって煽り立てられ破滅していく恐ろしさが印象的だ。全20巻の中ではさほど有名でない本作だが、結構重要な位置を占めている。2022/05/16

ホレイシア

4
この前に読んだ「ムーレ神父」に続く話だが、負け惜しみではなくこの順序で読んでよかったと思う。それにしてもゾラは導入がうまい。「好奇心ネコを殺す」というが、自分ちの3階を借りた、滅多に音を立てない姿も見かけない怪しげな神父とその母親に興味を持つなというほうが無理だよね。そんなふうにして始まるプラッサンでの物語、満足。2010/04/25

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