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ルーゴン・マッカール叢書
ルーゴン家の誕生

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  • サイズ A5判/ページ数 402p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784846004033
  • NDC分類 953
  • Cコード C0097

内容説明

物語は1851年12月7日、サン=ミットル平地で蜂起軍に参加しようとするシルヴェールの登場で始まり、12月14日、同じ場所でシルヴェールが処刑されたところで終わる。この平地はかつて墓であった。墓は満杯になり町の反対側に新しく作られることになり、遺骨の発掘が行われ、何の宗教的儀式もないまま運ばれていった。長い間、旧墓地は放置され自然の浄化作用を待ち、やがて公共の空き地として住民に利用されるようになった。聖なる地が俗化し、蘇り、新しいサイクルが始まった。まさに「ルーゴン=マッカール叢書」20巻の巻頭を飾るにふさわしい設定である。

著者等紹介

伊藤桂子[イトウケイコ]
愛知県立大学フランス学科卒業。大阪大学大学院文学研究科修士課程修了。著述、翻訳に従事
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

NAO

50
ゾラがバルザックに対抗して『人間喜劇』の続編となるものを書こうと計画し24年かけて完成させた作品群、『居酒屋』『ナナ』を含むルーゴン・マッカール家の一大叙事詩のはじまり。父親から精神異常に気質を受け継いだアデライード・フークを起源とし、嫡子ピエール・ルーゴンの一族と庶子アントワーヌ・マッカールの一族が、二月革命を境に各階級へと散らばっていく。一族の良心ともいえるシルヴェールを蜂起軍の中で見殺しにしたピエールとアントワーヌにアデライードの呪いが重くのしかかり、二人の子孫の行く末が大いに気になるところ。2016/02/29

たんたんx

15
ルーゴン家とマッカール家の血筋を受け継ぐ家族の物語を、数世代にわたって描いた全二十巻叢書の第一巻。一七八九年の革命後、共和制・復古王制・帝政とめまぐるしく政治体制が変遷していく十九世紀のフランスが、本編の舞台となっている。年若いシルヴェールとミエットを物語の生け贄とし、ゾラはしたたかにピエール・ルーゴンやアントワーヌ・マッカールの狡さや欲望への執着を描いて見せる。ピエールは自らの野心を成就させようと、不確実な未来を切り開いて成り上がっていくが、やはり時勢の運に助けられている部分も大きい。  →2017/01/11

きりぱい

12
王政だ共和制だと政情不安のフランスの一角で、着々と子孫の物語を送り出すことになるルーゴン家が誕生していた。庶子のマッカール家になる『居酒屋』しか読んでおらず、それだけでも面白ぐったりの凄まじさだったのに、ルーゴン=マッカール叢書20巻の祖にして、忌まわしくも、すでにアクの強い下劣な面々が揃っていた!親の因果が子に報いの歴史はここに始まっていたのだ。さもしくも皮算用の熾烈なエゴバトルの中にあって、少年と少女のつかの間の逢瀬が清涼剤に思える。その清涼剤さえあっさり奪ってしまうゾラが(ゾラだけに)ゾラ怖ろしい。2010/12/15

ラウリスタ~

9
ゾラは数冊読んだのでそろそろそのはじめから体系的に読んでみようと。長い長い叢書の初めということもあり家系の説明が重要な要素。聖書に例えるとノア以前。前半のだらだら感が後半になって一変。クーデタと、それを取り締まる秩序派との抗争。ゾラの面白さとは、ストーリーの面白さではなく、完全に自分の世界を創造してしまうこと。初めつまらないのはまったく未知の世界に関心を持てないから、しかし、そのうちゾラの造りし世界にのめり込んでしまうことは確実。さあさあルーゴン家の未来やいかに!2011/03/04

KUMAGAI NAOCO

5
二月革命直前のフランスのプラッソンにて、アディライードから端を成す、ピエール・ルーゴンの一族と、アントワーヌ・マッカールの一族が繰り広げる壮大なドラマ。血と育ちがかくも根強く人を支配することか。2016/06/09

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