内容説明
1917年、結核発症。1924年、死去。40歳で生涯を終えた作家フランツ・カフカの8年間におよぶ闘病生活を医師の診断書、サナトリウムに残されたカルテなど異色の資料から辿りなおす迫真のドキュメント。
目次
1917年―結核の発病
高地タトラにて
「死を考えることの永遠の苦しみ」
「目立たぬ生、明白な不首尾」
この世でもっとも素晴らしい喉頭病院で
終着駅―キールリング
フランツ・カフカとは誰か
著者等紹介
ハッカーミュラー,ロートラウト[ハッカーミュラー,ロートラウト][Hackerm¨uller,Rotraut]
1943年ウィーン生まれ。教師、詩人、小説家、エッセイスト。オーストリア・ペンクラブ会員
平野七涛[ヒラノナナミ]
1942年東京生まれ。東京大学大学院独語独文学博士課程中退、ドイツ文学専攻。現在、上越教育大学に勤務
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感想・レビュー
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Tonex
6
カフカの闘病生活に重点を置いた伝記。カフカは、実際はもっと明るくて飄々とした人物だったはずなのに、終始、死と病と不安に彩られた暗くて神経症的な人間として描かれる。伝記的事実から著者のカフカ像に都合のいい部分だけトリミングされている印象。本当は有能なサラリーマンだったのに、《この職場で、彼は、ごく乏しい実務能力しか発揮できなかった。(p.12)》と書かれているように、著者はカフカを徹底的に社会不適合者に仕立て上げようとしている。2016/01/05
ha10
0
カフカの病状とほぼ女性関係の話。カフカの生活ってほんと作品そのままを描いたようです。2023/09/12