内容説明
壊れた女たちによる、異色の西部劇コメディ。ナンセンスの達人、ケラリーノ・サンドロヴィッチもうひとつのライフ・ワーク、シリアス・コメディの傑作2本を収録。第1回朝日舞台芸術賞受賞。
著者等紹介
サンドロヴィッチ,ケラリーノ[サンドロヴィッチ,ケラリーノ]
1963年東京都生まれ。横浜放送映画専門学院(現・日本映画学校)卒業。ナイロン100℃主宰。99年、「フローズン・ビーチ」で第43回岸田国士戯曲賞受賞。00年、「ナイス・エイジ」で千年文化芸術祭優秀作品賞を受賞。02年、「室温~夜の音楽~」で第5回鶴屋南北戯曲賞、第9回読売演劇大賞優秀演出家賞、同作と「カフカズ・ディック」「すべての犬は天国へ行く」「暗い冒険」「ノーアート・ノーライフ」で第1回朝日舞台芸術賞受賞
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感想・レビュー
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ヴェネツィア
267
タイトルに惹かれて。読む前は翻訳劇だとばかり思っていた。ところが、ケラリーノ・サンドロヴィッチというのはペンネームで、日本人の劇作家が日本語で書いた劇だった。登場人物は多いのだが、すべて女性ばかり。というのも、どういうわけかこの村の男たちは全員がいなくなっていたのである。物語の舞台は西部劇に登場するような町の娼館を併設した酒場。劇中に観客席から笑いが漏れるだろうところが何か所かある。また、劇の進行は軽やかにスムーズに進んでいく。ただ後半からは命が途端に軽くなり、何人もが殺されるハメになる。西部劇風を⇒2025/08/31
あわず
1
文脈を理解できないキャラクターが会話している様を読むのが楽しい。他にも、別キャラクターとして演じているのか単にキャラクターが変装しているだけなのか分からなくなったりと、西部劇の定番である酒場の両開きの扉が外れちゃうところにもあるように、会話や演劇の暗黙の了解・お約束を崩していく感じの作品だなと感じた。2019/03/31
まめねこ
1
シリアスコメディという分野だったので、一回目は理解できずに二回目でようやく楽しさが分かった。言葉遊びが面白かった。ひたすら遊んでいるので、そこを楽しむしかないのだけど、内容がシュールなので、読後は落ち込む。各キャラクターの気持ちや狂って行く様は、計算されていて恐ろしい。2015/10/12