内容説明
当事者でありながら仲介者となっているイギリスの矛盾。なぜIRAの行為だけが「テロ」と呼ばれるのか。
目次
1 アルスター・ユニオニズムの形成
2 オレンジイズムの形成と発展
3 北アイルランド国家の成立
4 ユニオニスト一党支配とIRA
5 改革への模索とユニオニストの抵抗
6 和解への道
むすび 北アイルランド紛争とアイルランド・ナショナリズム
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
印度 洋一郎
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イングランド人のアイルランド移民に始まる、1990年代半ば(北アイルランド和平直前)までの北アイルランド紛争を概観する。とにかく、カトリックであるアイルランド人とプロテスタントであるイギリス人が市民レベルで互いを襲撃し合っている歴史が長い。これはイギリス移民に対する抵抗の時代にまで遡る、ある意味北アイルランドの伝統のようなもので、この紛争の解決を難しくしていた。アイルランド全体では少数派であるプロテスタントの恐怖心、支配者であるプロテスタントへのカトリックの憎悪が色々なレベルで絡み合っている。2025/03/19