内容説明
財政法上、いわゆる赤字国債が禁止されているわが国で、長年にわたり特例法に基づく赤字国債が発行され続け、…国および地方の長期債務残高は…OECD(経済協力開発機構)加盟国のなかでも、群を抜いて高い数字を示している。…本書は、財政民主主義を標榜する日本国憲法のもとで、真に「国民のための財政」を実現していくためには、「国会の議決」(「財政の決定」)そのものにも規律が及ぶしくみを構築する必要があることを主張しようとするものである。(「はしがき」より)
目次
第1章 ドイツにおける憲法上の公債規定の変遷
第2章 基本法上の旧規定「ゴールデン・ルール」
第3章 連邦憲法裁判所1989年判決―「ゴールデン・ルール」の転換点
第4章 連邦憲法裁判所2007年判決―「ゴールデン・ルール」の終焉
第5章 「起債ブレーキ」導入の背景と成立過程
第6章 基本法上の新規定「起債ブレーキ」
第7章 「起債ブレーキ」導入の国際的背景
第8章 財政緊急事態早期警戒システムと安定化委員会
第9章 「起債ブレーキ」と会計検査院
第10章 わが国の財政民主主義と財政規律
著者等紹介
石森久広[イシモリヒサヒロ]
1962年広島県生まれ。1989年広島大学大学院社会科学研究科博士課程単位取得。1996年博士(法学)(広島大学)。西南学院大学大学院法務研究科(法科大学院)教授、西南学院大学副学長(2014‐)。専攻は行政法、財政法、地方自治法(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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