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内容説明
『スカウト』広島カープの黄金時代を支えた辣腕スカウト、木庭教。衣笠祥雄、金城基泰、高橋慶彦、大野豊、達川光男、正田耕三…など幾多の無名の選手たちを発掘した。40年に及ぶ名スカウトの人生を描く長編ノンフィクションは“プロ野球外史”であり、また“私たちの戦後史”でもある。『奪われぬもの』歳月の中で衰えゆく肉体、薄れゆく夢。奪われつつなお奪われぬものを秘めて男たちは戦いの場へと向かう。
目次
スカウト(夏;薬売りのごとく;重いバット;怪童を生んだ時代;二人だけのパレード;ワンプレーによって;もうひとつの仕事;スカウト仁義;加州の目利き)
奪われぬもの(伝説への旅;窪んだマウンド;遠いバンク;リング;ラガー)
著者等紹介
後藤正治[ゴトウマサハル]
1946年、京都市に生まれる。1972年、京都大学農学部を卒業。ノンフィクション作家となり、医学、スポーツ、人物などの分野で執筆を重ねる。『空白の軌跡』で第四回潮ノンフィクション賞、『遠いリング』で第十二回講談社ノンフィクション賞、『リターンマッチ』で第二十六回大宅壮一ノンフィクション賞を受賞。2007年より神戸夙川学院大学教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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まわる
4
名スカウト、木庭教さん。カープに30年在籍し、その後は大洋ホエールズ(現ベイスターズ)、オリックス、日ハムに所属。8/6の災禍を経験した過去を持つ。戦後の日本、特に広島にとって野球は人々の希望であった。木庭氏が名スカウトでありえたのは才を見抜く慧眼もさることながら言葉にせずとも伝わる情と筋を通した仕事ぶりであろう。それは今もカープに引き継がれている。『奪われぬもの』落馬し半身不随の父に対し同じ道を選んだ息子が「これだけ愛情に包まれた人が不幸な存在であるはずがない」誰にも奪われぬものがそこにはあった。2017/01/19