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現代訳 職業としての学問―危機に立つ現代に「働く意味」はあるのか

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  • サイズ B6判/ページ数 151p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784833419154
  • NDC分類 002
  • Cコード C0030

内容説明

二〇世紀最大の社会学者、マックス・ウェーバー。その青年時代に、ドイツ帝国は世界第二位の工業国へと高度成長を遂げた。だが、イギリス、フランスとの対立は、一九一四年の第一次世界大戦開戦へとつながり、ドイツの敗北をもたらした。ウェーバーが『職業としての学問』の講演を行った一九一七年は、政治も、経済も、社会も、過去の成功体験がまったく役に立たなくなった混沌の時代の中で、新しい生き方を求める若者たちに向けて行われたものである。

目次

職業としての学問
特別対談 姜尚中×三浦展

著者等紹介

ウェーバー,マックス[ウェーバー,マックス][Weber,Max]
ドイツの社会学者、経済学者。1864年、プロイセン王国(現在のドイツ)エルフルト生まれ。1894年、フライブルク大学教授。1897年、ハイデルベルク大学教授。1903年、ハイデルベルク大学名誉教授。主著『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』において近代資本主義の成立とプロテスタンティズムの関連を解明するなど、膨大な論文を発表し、社会科学の巨人と呼ばれる。日本でも経済史家の大塚久雄、政治思想研究家の丸山眞男らの高名な社会科学者を始めとする多くの人々に多大な影響を与えた。1920年没

三浦展[ミウラアツシ]
1958年生まれ。82年、一橋大学社会学部卒業。卒論はマックス・ウェーバーの宗教社会学をベースにした「現代文化の無意味化と無価値化」。同年、株式会社パルコ入社、時代分析雑誌「アクロス」編集長を経て、90年、三菱総合研究所入社。99年、カルチャースタディーズ研究所設立。消費社会、若者の価値観、郊外化と、階層格差などを広く分析(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Nobuko Hashimoto

13
「専門的な学問研究とは無縁の」一般読者が「自分の人生の問題」として読めるように工夫された「現代訳」。でも私としてはやはり、大学の教師はどういうものか、どうあるべきかを述べた部分に注目。ニヤニヤしたり、ふんふんうなずきながら読んだ。教師たるもの、教室内では、「予言者」「煽動家」「指導者気どり」で価値観を上から押しつけてはいけない、いろいろなものの見方や事実を提示し、聴講者が自分で判断できるよう導かねばならない、などなど。かなり思い切った現代的な訳語もあるが、もともとが学生向け講演録だし、アリだと思う。2014/11/28

茶幸才斎

5
第一次大戦の敗戦から既存の権威への信頼を失い、宗教や神秘主義に走る傾向にあったドイツの若者たちを前に、1917年に標題のテーマで講演したウェーバーは、学者仕事はしんどいし運次第だし、そもそも学問の成果に価値があるのか学問の方法論では証明できんもんね、と彼らをシニカルに突き放す。しかしまた云う。幻を追うより目の前の為すべきことをまずやれ、やがてその中から己の内に「何か」が立ち現れて来る、と。ウェーバーはその「何か」を魔物(デーモン)と呼ぶ。それこそ学者の言葉とは思えない。価値観とかアイデンティティのことか?2014/03/11

りり

4
ドイツとアメリカの大学教員の待遇というか、雇用のされ方、組織形態についての言及が興味深かった。ドイツの学問への姿勢の真摯なこと!アメリカの効率主義極まれりな様子、このことの蓄積が何に繋がっていくのかを考えると、今日のアメリカの発展から陰りに至るまでの道程が視えてくる気がする。しかし第二部の(なのかな?)特別対談での姜尚中と訳者の三浦展は、特にどうということもなかった。なるほど、くらいの感想。2014/10/31

りょう

4
「予言者が、重い意味を持って若者の前に生き生きと立ち現れることも絶対ないということです  」予言者の登場を期待するのではなく、自分の中にデーモン(価値判断基準みたいなもの?)を持つことが必要ですって。なんでもかんでもズバズバ答えを言ってくれる人は疑ってかかったほうがいいのはその通りですわ。2013/01/13

NORITA

2
こんな昔に現代においても十分通じるようなことを考えていた人がいたんですね。自分も学問を職業としているのですが、事業仕分けの騒ぎで自分が学問を追究する意味について改めて考える機会があったので、この本は頭を整理するのに大変良かったです。勉強する理由が分からんとのたまう若者も是非読めばいい。2010/01/01

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