内容説明
21世紀の世界は宗教と食を中心に展開するのでは。人間の最も根源的な営み、食べることと祈ることとの関わりを探る。「食と宗教」を問う初のこころみ!
目次
第1部 食にひそむ信仰(諸民族の信仰と食;先住民族の「世界知」と食―北西アマゾンの場合)
第2部 西方起源の「三宗教」(ユダヤ教―神との契約;キリスト教―聖体としてのパン;イスラーム―コーランとハディーズから)
第3部 インドから東へ(インド―ヒンドゥー教とジャイナ教;「功徳」を食べる人びと―東南アジア仏教徒の宗教実践と食;日本―道元と親鸞;食すること、信仰すること―人間にとっての根源的な二つの営み)
総合討論
著者等紹介
南直人[ミナミナオト]
1957年生まれ。京都大学文学部卒業。大阪大学大学院文学研究科修士課程修了。大阪国際大学教授などを経て、京都橘大学文学部教授。専門分野は西洋史学、食文化研究(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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テツ
20
ユダヤ教のカシュルートが真っ先に思い浮かぶが、それ以外にも古今東西ありとあらゆる宗教が食べてはいけないモノを規定してきた。信仰が礎となり育まれた不浄という概念。何故それを食べてはいけないとされたのか。食べることってそのまま生きることに直結するのだから民草が生きる指針を説く宗教もそこについて触れないわけにはいかなかったんだろうな。日常生活には全く影響しない知識だけれど面白かった。 2018/02/01
noko
3
宗教によって食べちゃいけない物があるのはなぜだろう。インド人にベジタリアンが多い理由とか、ムスリムが豚を食べない理由とか知りたかった。この本を読むと、少し理解できるかも。内容は専門的なので、宗教の予備知識があると良い。特定のものをタブーとするのは大宗教で発達したが民間信仰でもあり、タブーが集団を差別化し、タブーを共有する人々の連帯を強める。宗教食禁忌は食べ慣れない物への生理的拒否感があり、以前からあったタブーが宗教と結びつき強化された。ユダヤの戒律が厳しい。肉と乳を一緒にできないのでチーズバーガーがNG。2019/11/23
なつき
3
『食の文化フォーラム32 宗教と食』読了。タイトルの通り宗教と食との関係性を中心に論文が集まっていて、まさしくそのことを知りたいときにはもってこい、参照したい一冊だなと思った。全体を俯瞰するような概論から入り、民俗学的見地も含め、各宗教を論じてくれているのは非常にありがたい。2018/12/21