内容説明
「資質・能力」の育成を包み込む主体的な人格形成をめざす提言と、学校現場での補正への期待。
目次
第1章 コンピテンシー・ベースによる授業とは(なぜコンピテンシー・ベースを重視するのか;コンピテンシー・ベースとは何なのか;コンピテンシー・ベースを超えて)
第2章 いかなる「人格」と「学力」を育てるか(「人格形成」と「学力形成」;コンピテンシーをとらえなおす―主体的な人格形成を視野に入れた学力をめざして;人格と学力を育てる教育課程;新しい人格と学力を求める21世紀はどんな世紀か)
著者等紹介
安彦忠彦[アビコタダヒコ]
昭和17年、東京都生まれ。大阪大学助手、愛知教育大学助教授、名古屋大学教授、早稲田大学教育総合科学学術院特任教授を経て、名古屋大学名誉教授、神奈川大学特別招聘教授。専攻は教育課程(カリキュラム)論、教育方法、教育評価。中央教育審議会委員、文部科学省「育成すべき資質・能力を踏まえた教育目標・内容と評価の在り方に関する検討会」座長などを歴任(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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totuboy
2
筆者の主張は非常に明快である。要は能力を使う人間の「人格」が大切ということ。「何を知っているか」ではなく、「何ができるか」が重要になってくるこれからは、人間としての生き方、哲学をどれだけ子供たちが考え、問題を解決してけるかです。昔のヨーロッパの教養の一つには「哲学」がありましたが、これからの世の中、本当に『倫理、哲学』を幼少期からしっかりと指導していく必要性を改めて感じました。2015/02/22
Tohru Soma
1
結局どんなに高い能力があっても人格が・・という部分に大変共感をもった。「人格」が「能力」をその一部として内に含む全体を構成し、「何のために用いるのかを決める」ものとして再重視し、上からそれを支配する性格のもとのして位置づける必要があると思います。2015/04/06
鵜殿篤
0
近年には珍しい、極めて「教育学的」な本であるように思った。とても、いい。感動した。 いま巷に溢れているのは、教育をただの手段として考えるような「教授術」の本ばかりだ。21世紀型スキルにせよ、キー・コンピテンシーにせよ、「生きる力」にせよ、「カリキュラム・マネジメント」にせよ、その議論の過程に教育学固有の領域というものはまったく必要とされていない。教育に期待されているのは経済的な発展に貢献する人材育成のための「効率的な手段」である。それは教育学と呼ぶのに相応しくなく、本来は「教授学」と呼ぶべきものだ。2017/12/22
motoryou
0
一度読んだだけでは、その内容を自分のものにはできない。再読は必要。人格面での「自立」を目指そうとしているか、ゴールをどこに置いているのか、を問われていると思う。2015/04/18