出版社内容情報
私達の体の不思議、それを解明しようとした人々の奮闘努力を、脳や皮膚、筋肉などを取り上げ、最新の知見を盛り込み語る。
はじめに
第1章 脳
脳という漢字は赤ちゃんの頭を意味する/大和言葉では脳を〈なずき〉と言った/エジプトのミイラと脳/ギリシャ時代のクシャミ/脳重量と知能の関係/脳の構造/筋萎縮性脊索硬化症/リンゴを手に取って食べるには/「ムッシュ・タン」/古代でも頭蓋骨の手術があった /プリオンとヤコブ病/白い筋の正体/イカの神経系の発見/カニと麻酔/神経は混線するか/神経細胞は網状型か独立型か/シナプスとは何か/シナプスの構造/神経末端から出る物質 /空腹だと記憶力がアップ
[コラム]ボツリヌス菌
第2章 アルツハイマー病
茗荷を食べると物忘れをする理由/アルツハイマー病の歴史/アルツハイマー病の原因仮説/シグナリング仮説
第3章 脳の内分泌機能と脳下垂体
視床下部のペプチド抽出競争/脳内にアヘン/脳下垂体と鼻水/後葉ホルモンと学習/オキシトシンと父性/謎の研究者
[コラム2]魚の淡水への適応と人の乳汁の産生との関係
[コラム3]プロラクチンの多様な作用
第4章 甲状腺
甲状とは何か/To be, or not to be./甲状腺の風土病/全摘手術は必要か/オタマジャクシの変態/酸素と甲状腺因子/変態のいろいろ(アホロートル・ヒラメ・ヤツメウナギ・ナメクジウオ・ホヤ)/ウニの華麗な変態
[コラム4]お尻に眼
第5章 副甲状腺
最初の記述者リチャード・オーエン/最後の内分泌腺発見者/副甲状腺ホルモンとシーラカンス
第6章 鰓さい後こう腺せん
コップの複雑な勘違い/エラと進化/ハーシュの無念
第7章 副腎
腎臓とは無関係/アジソン病/高峰譲吉の波乱万丈人生/高峰、ハーン、漱石/アドレナリンの純化競争
第8章 筋肉
しし食った報い/筋肉の中には何が?/収縮のしくみ/江橋先生とトロポン
[コラム5]セント─ジェルジとビタミン C
第9章 皮膚
内なるネアンデルタール人/脂肪が気になる/汗腺と乳腺/縄文土器と指紋/ネコのヒゲ/これまでの皮膚感覚/最新の皮膚感覚/皮膚で聞く/皮膚で色を見る/コロンブスと梅毒/カポシ肉腫/ハンセン病
[コラム6]おっぱい
[コラム7]MUSE細胞
第10章 受胎と胎盤
受胎の神秘/中世・近世の受胎の考え方/出生前診断/シーザーは帝王切開で生まれた?/ヒトの発生/男と女のつなぎ目、へそ/胎児を守る物/胎盤は内分泌器官/乳がん遺伝子と老化
[コラム8]華岡青洲
[コラム9]前立腺由来ではなかった生理活性物質
参考文献
おわりに
【著者紹介】
昭和44年、北海道大学水産学部卒業。富山大学理学部教授、金沢大学理学部教授を経て、金沢大学環日本海域環境研究センター教授を務める。平成24年定年により退職。現在、同センター連携研究員。専門は「骨硬化ホルモン〈カルシトニン分子〉の生理・進化学」。著書に『人体探求の歴史』(築地書館)がある。
内容説明
脳、ホルモン、筋肉、皮膚、胎盤―人体の謎の究明とともに、競争にさらされる研究者たちの苦闘に迫る。出生前診断、遺伝子診断、再生医療…人は自らの体について、全てを知ることができるのか。研究者たちの挑戦は続く。
目次
第1章 脳
第2章 アルツハイマー病
第3章 脳の内分泌機能と脳下垂体
第4章 甲状腺
第5章 副甲状腺
第6章 鰓後腺
第7章 副腎
第8章 筋肉
第9章 皮膚
第10章 受胎と胎盤
著者等紹介
笹山雄一[ササヤマユウイチ]
昭和44年、北海道大学水産学部卒業。富山大学理学部教授、金沢大学理学部教授を経て、金沢大学環日本海域環境研究センター教授を務める。平成24年定年により退職。現在、同センター連携研究員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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