多種共存の森―1000年続く森と林業の恵み

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多種共存の森―1000年続く森と林業の恵み

  • 清和 研二【著】
  • 価格 ¥3,080(本体¥2,800)
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  • サイズ B6判/ページ数 280p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784806714675
  • NDC分類 653.27
  • Cコード C0045

出版社内容情報

多種共存の森の驚きの森林生態系を、最新の研究成果で解説。このしくみを活かした広葉樹、針葉樹混交での森づくりを提案する。

日本列島に豊かな恵みをもたらす多種共存の森。その驚きの森林生態系を最新の研究成果で解説。このしくみを活かした広葉樹、針葉樹混交での林業・森づくりを提案する。

まえがき

序章 消えた巨木林─生物多様性の喪失─
 憧れの巨木林
 単調になった森
 巨木の森を伐って何を残したのか

?T部 多種共存の仕組み

1章 病原菌が創る種の多様性
 ジャンゼンが見つけた森の秘密
 親から離れた子どもだけが大きくなれる
 どの種も同じ仕組をもつ
 親木の下では多種の子どもが生き残る
 種特異性という不思議
 真上から降ってくる葉の病気
 種子散布の進化を促す

2章 森を独占したがる種とそれを防ぐメカニズム
 先駆種は純林をつくる、しかし遷移が進む
 菌根菌が純林をつくる!?
 ブナは森を独り占めしない─地すべりでリセット

3章 環境のバラツキが種多様性を創る
 棲み分ける─ニッチ分化説
 中庸を旨とする─中規模攪乱説

4章 森羅万象が創る多種共存の森
 最大樹高
 スーパーマンは居ない─トレードオフという自然界の掟
 温度や降水量と菌類や植食者との関係
 自然のメカニズムと森林施業

?U部 多種共存の恵み

5章 生産力を高め、人の生活を守る
 生産力を高める─草地ではあたりまえ
 洪水と渇水を減らす─地上と地下の関係
 水を浄化する
 害虫の大発生を防ぐ─天敵の常駐
 病気の蔓延を防ぐ
 ナラ枯れと生物多様性
 クマを山に留め置く─エサの多様性
 生産が持続する─変動環境の克服
 生態系機能と森林認証

6章 さまざまな広葉樹の無垢の風合い
 100種を使う建具店
 シオジの輪切り
 嫌われ者、ニセアカシア
 買い取り林産という悲劇
 コナラ・クヌギの家具
 雑木の魂─1千万分の1の命

7章 食と風景の恵み
 森を食べる人々─鬼首の大久商店
 森のグルメ本─『摘草百種』
 蜂蜜の採れる森
 毎日見る風景
 都会にこそ広葉樹林を
 鞭撻者

?V部 多種共存の森を復元する

8章 針葉樹人工林を広葉樹との混交林にする
 トドマツ人工林の自壊と再生
 先駆者、伊勢神宮林
 混交林化の技術開発が始まっている
 広葉樹林に近いほど多くのタネが飛んでくる
 間伐すると広葉樹林から遠くても実生が更新する
 強度間伐するとなぜ種数が増えるのか─発芽を促す
 経営目標を実現する間伐の強度
 帯状皆伐で境界効果を活かす
 馬搬
 混交林化し易い地域と難しそうな地域
 広葉樹を植える─精英樹・密植・パッチワーク・菌根菌
 再造林は超疎植に─無駄をなくす

9章 生物多様性を基軸に据えた境目のない曖昧なゾーニング
 新しい森林計画制度とゾーニング
 森林・林業再生プランとゾーニング
 生物多様性を基軸に
 たとえ1等地でも混交林に─有用広葉樹の導入
 2等地、3等地では広葉樹の混交で生産力アップ
 すべての広葉樹を生産目標に
 水辺林の機能を取り戻す
 奥地林は巨木の森に
 天然林の木材生産─生物多様性と生態系機能を高めながら
 日本の山村とヨーロッパの山村─ゾーニング嫌い

10章 森と人が共生する社会
 山村で暮らせるか─収入源は生物多様性に富む森
 薪は裏山から
 震災から立ち上がる三陸の人々

あとがき

【著者紹介】
1954年山形県櫛引村(現 鶴岡市黒川)生まれ。月山山麓の川と田んぼで遊ぶ。北海道大学農学部卒業。北海道林業試験場で広葉樹の芽生えの姿に感動し、種子の散布から発芽・成長の仕組みを研究する。近年は多種共存の不思議に魅せられている。針葉樹人工林の施業にも長く関わり、生態系と調和した1000年続く林業を夢見る。戦後開拓の放棄田跡に住み、クマ・カモシカ・タヌキ・キジ・コルリ・マムシ・オニヤンマなどとの生活圏の境界の曖昧さに一喜一憂しながら暮らしている。趣味は焚き火、植物スケッチ、食物の採取と栽培、木工、ハンモック。現在、東北大学大学院農学研究科教授。著書に『発芽生物学』、『日本樹木誌』、『森の芽生えの生態学』、『樹木生理生態学』、『森林の科学』など(いずれも編著または共著)。

内容説明

日本列島に豊かな恵みをもたらす多種共存の森。その驚きの森林生態系を最新の研究成果で解説。このしくみを活かした広葉樹、針葉樹混交での林業・森づくりを提案する。

目次

消えた巨木林―生物多様性の喪失
1部 多種共存の仕組み(病原菌が創る種の多様性;森を独占したがる種とそれを防ぐメカニズム;環境のバラツキが種多様性を創る;森羅万象が創る多種共存の森)
2部 多種共存の恵み(生産力を高め、人の生活を守る;さまざまな広葉樹の無垢の風合い;食と風景の恵み)
3部 多種共存の森を復元する(針葉樹人工林を広葉樹との混交林にする;生物多様性を基軸に据えた境目のない曖昧なゾーニング;森と人が共生する社会)

著者等紹介

清和研二[セイワケンジ]
1954年山形県櫛引村(現鶴岡市黒川)生まれ。月山山麓の川と田んぼで遊ぶ。北海道大学農学部卒業。北海道林業試験場で広葉樹の芽生えの姿に感動し、種子の散布から発芽・成長の仕組みを研究する。近年は多種共存の不思議に魅せられている。現在、東北大学大学院農学研究科教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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壱萬弐仟縁

9
「巨木林の存在する知らない世代にすばらしい『文化』を見せてやることができない。(略)数百年いや数千年かけて守られてきた貴重極まりない『文化財』ともいえる巨木の森を日本は短期間に失った」(15頁)。とりわけ、生きている森林、樹木という位置づけで生きた文化財なのである。森林の多面的機能とは、学校教育や宗教を支える文化機能もある(82頁)。1946年北大教授の舘脇操『摘草百種』は、グルメ本という性質もあるという(151-2頁)。里山からの食材には無関心、無知という自戒も込められる(153頁)。2013/12/25

桃の種

3
まだ読んでいる途中だけど、一言。広葉樹、天然林信仰者はあまりにも人工林、針葉樹を頭ごなしに否定しすぎる。この人の書いていること面白いなと思って読んでいたのに、急に人工林を裏付けもないのに感情的にディスってきて、ちょっと残念な気持ちになった。 追記 語られる理想はとっても良いなと思った。2020/11/29

ぴょんpyon

2
種多様性の高い森ができる仕組みを人工林の広葉樹林化と絡めて論じる。第1部は筆者の研究をもとに、ジャンゼンコンネル仮説や中規模攪乱説を紹介していて勉強になる。第2部以降は主観的なお話が多く、エッセイと呼んだ方が良いだろう。ある建具屋を例に挙げて広葉樹林の利用を勧めている部分では、物珍しいがために生まれた付加価値がこの先何十年も存在し続けると信じているようだ。荒唐無稽と言わざるを得ない。トチノキの大径木を採る杣夫を批判する一方で、ミズナラやクヌギはナラ枯れでやられる前に太い木を採れと言う。感情的すぎて何とも。2017/05/18

おいしんご

2
広葉樹の更新プロセスや、施業方法の変化によるそれへの影響などが、地道な実験調査によって語られていて、非常に興味深かった。自然のもともと持ちうる力を発揮してこそ豊かで強く効率的な自然ができるのだろうし、人間はそれにそった自然管理、森林管理が必要なのだろう、ということを改めて理解した。 ただ、本書はどこか聞き飽きたような自然賛美、都会批判がなされていて、筆者の想いとしてはよいのだろうが、どこか説教くさく同じ価値観の人にしか届かない言葉のように思った。2017/04/02

Mm

2
ジャンゼン・コンネル仮説に、ニッチ分化説、中規模撹乱仮説、どれも面白い。人工林から針広混合林へ、人が自然に手を加えることの危うさがこの転換から学ぶべきことなのかも。日本樹木誌や摘草百種はよんでみようと思う。2015/09/26

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