空海に出会った精神科医―その生き方・死に方に現代を問う

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  • サイズ B6判/ページ数 239p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784804613918
  • NDC分類 188.52
  • Cコード C0015

出版社内容情報

空海の生き方に現代のうつ・いじめ・自殺・SNS依存などを解決するヒントがあると考えた、聖路加国際病院の精神科医の提言。

【本書の構成について】



本書の、第1章?第7章の各章は、それぞれ、



「《表》 空海の生涯をみる」

「《裏》 現代の問題をみる」

「《まとめ》 空海が現代をみたら」



という、3つの部分によって構成されています。

《表》では、空海の生き方や、空海にまつわるさまざまな事件を、年代別に紹介します。

《裏》では、《表》で紹介した空海の生き方とは対照的と思われる、現代社会が抱えるさまざまな問題を、精神科医の立場でとりあげます。

《まとめ》では、《裏》でとりあげた現代の問題を解決するためのヒントを、《表》で紹介した空海の生き方の中に探ります。

私たち現代人は、空海の生き方から何を学べるか……という視点をもって、各章の《表》《裏》《まとめ》の3つを、順番にお読みいただけたら幸いです。



[ 目 次 ]



【本書の構成について】



はじめに─空海との出会い

精神科医として感じていた「壁」/弘法大師=空海が腑に落ちる/高野山大学大学院で空海思想を学ぶ/空海の生涯を《表》、現代の問題を《裏》として対比したい



第1章 子供は愛情をもって育てるもの

第1章《表》 空海の生涯をみる

○空海の誕生 ○空海の育てられ方

第1章《裏》 現代の問題をみる

●現代にみられる未熟な育て方 ●現代にみられる虐待─虐待死の8割は3歳以下

第1章《まとめ》 空海が現代をみたら



第2章 思春期は悩むもの

第2章《表》 空海の生涯をみる

○空海はなぜ退学したのか? ○大学中退後の空海 ○モラトリアム人間としての空海

第2章《裏》 現代の問題をみる

●現代にみられるいじめ問題 ●いじめ防止のためには ●ゼロ・トレランス政策

第2章《まとめ》 空海が現代をみたら



第3章 青年期は夢を持つもの

第3章《表》 空海の生涯をみる

○遣唐使船─唐での活動

第3章《裏》 現代の問題をみる

第3章《まとめ》 空海が現代をみたら



第4章 壮年期はコミュニケーションするもの

第4章 壮年期はコミュニケーションするもの

○空海と最澄の交流と決別〈?空海と最澄の決別の始まり/?密教観の違い/?修道観の違い〉

第4章《裏》 現代の問題をみる

●現代におけるコミュニケーション ●インターネット時代のコミュニケーション・スタイル ●「SNS依存症」とは? ●「SNS依存症」の分類

第4章《まとめ》 空海が現代をみたら



第5章 中高年期はうつ病に注意するもの

第5章《表》 空海の生涯をみる

○空海はうつ病だった? ○第1回目のうつ病=「空海生年四十、期命尽くべし」 ○第2回目のうつ病=「人、金剛にあらず」 ○第3回目のうつ病=「両楹夢に在り、三泉忽ちに至る」

第5章《裏》 現代の問題をみる

●現代におけるうつ病と自殺問題〈?自殺研究班(保坂班)の研究成果/?ゲートキーパーへの啓発・研修/?「こころの安全週間」の制定/?在宅介護者のうつ病とその対策/?介護うつへの対策〉

第5章《まとめ》 空海が現代をみたら



第6章 円熟期は社会を見つめるもの

第6章《表》 空海の生涯をみる

○空海の円熟期─『即身成仏義』を読む ○空海の円熟期─空海と東寺の関係について〈?東寺の創建について/?嵯峨天皇と空海の関係について/?東寺時代の空海〉

第6章《裏》 現代の問題をみる

●現代の円熟期─40歳代、50歳代をどう生きるか? ●現代の円熟期─断捨離のすすめ ●現代の円熟期─ソーシャル・サポートの構築を ●現代の円熟期─2度目の人生を愉しむ

第6章《まとめ》 空海が現代をみたら



第7章 死はプロデュースするもの

第7章《表》 空海の生涯をみる

○空海の死に方 ○密教と一般的な仏教の死生観

第7章《裏》 現代の問題をみる

●現代人の死に方 ●わが国におけるがん告知と末期医療 ●がんの告知と精神症状 ●余命期間が短いほど、誰もそれを奪ってはいけない ●エンディング・ノート ●「自律性」が保たれている時に余命期間を知るべきだ ●死後の世界をどう信じるか? ●病気のスピリチュアルな意味 ●最近出会った素晴らしい死に方

第7章《まとめ》 空海が現代をみたら



付 録 フィクションの世界の空海論について

あとがき





保坂 隆[ホサカ タカシ]
1952年、山梨県に生まれる。聖路加国際病院リエゾンセンター長・精神腫瘍科部長、聖路加国際大学臨床教授。 1977年、慶應義塾大学医学部卒業後、同大学精神神経科に人局。 1990年より2年間、米国カリフォルニア大学ロスアンゼルス校精神科へ留学。1993年に東海大学医学部講師、2003年より同大学医学部教授を経て、2010年より現職。2012年より高野山大学大学院密教学修士課程(通信制)で空海思想を学び、2014年卒業。著書には『人生の整理術』『老いを愉しむ習慣術』(以上、朝日新書)、『打たれ強い人になる』(中公新書ラクレ)、『精神科医が教える心の疲れがたまったときに読む本』(だいわ文庫)、『人間、60歳からが一番おもしろい!』(知的生きかた文庫)、『がんでも長生き?心のメソッド』(マガジンハウス)などがある。

内容説明

精神科医の著者は、空海の生き様に魅了され、そこに現代の社会病理を解決するヒントがあると思い至る。うつ、いじめ、自殺、SNS依存、少子高齢化などの問題に対して、日本仏教の偉人・空海が教えてくれることとは。空海の生涯を「表(おもて)」、現代の問題を「裏(うら)」として対比させる、新しい提言のかたち。

目次

第1章 子供は愛情をもって育てるもの
第2章 思春期は悩むもの
第3章 青年期は夢を持つもの
第4章 壮年期はコミュニケーションするもの
第5章 中高年期はうつ病に注意するもの
第6章 円熟期は社会を見つめるもの
第7章 死はプロデュースするもの
付録 フィクションの世界の空海論について

著者等紹介

保坂隆[ホサカタカシ]
1952年、山梨県に生まれる。聖路加国際病院リエゾンセンター長・精神腫瘍科部長、聖路加国際大学臨床教授。1977年、慶應義塾大学医学部卒業後、同大学精神神経科に入局。1990年より2年間、米国カリフォルニア大学ロスアンゼルス校精神科へ留学。1993年に東海大学医学部講師、2003年より同大学医学部教授を経て、2010年より現職。2012年より高野山大学大学院密教学修士課程(通信制)で空海思想を学び、2014年卒業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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ふたば@気合いは、心を込めて準備中

3
空海が「鬱」に陥っていたとは、初めて聞いた説だ。自殺企図を伴うほどの鬱からどのように抜け出したのかには言及されていないが、身体的限界を迎えて鬱状態になった場合、早い段階で十分な休息を取ることができたなら、立ち直ることが可能であるという。 空海ほど、精力的にかつ、理性的に生きていても、バランスを崩すことがあるというなら、その域に達していない我々はいつもその危険に晒されているということか。現在、何が鬱を引き起こすかについては多くの情報が提供されている。少し調べたならざくざく拾い上げることが可能だろう。 2018/11/16

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