宝島社新書
ネット右翼の矛盾―憂国が招く「亡国」

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ 新書判/ページ数 207p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784800204707
  • NDC分類 361.65
  • Cコード C0236

内容説明

インターネット上で過激な発言を繰り返し、ついにはフジテレビや提供スポンサー企業に対してデモを行い、現実世界でも影響を持ち始めている「ネット右翼」。反韓、反マスコミ、反エリート…“愛国”“憂国”を唱える彼らの論調は、一見、非常に論理的な意見に見えるが、実は矛盾に満ちている。一体、ネット右翼はどのような人々が中心で、どのような生活を送ってきたことで、そのような考え方をするようになったのか。ネット右翼の「誤解」や「妄想」、はたまた「論理の矛盾」を具体的に挙げつつ、彼らのホンネがどこにあるのかを、ネットジャーナリズムの旗手3人が分析、明快に解き明かす。

目次

第1章 ネット右翼のリアル(ネット右翼のシンボル的存在、「在特会」;節電で「犠牲者」は増えたのか ほか)
第2章 弱者のツール(変わりゆく日本社会に置いていかれる恐怖と無学の関係;ネット発のデモが起こる構図 ほか)
第3章 メディアの反日陰謀論―考えすぎだ、メディアにそんなガッツはない(レッテル貼りに成功した“愛国者”たち;私が反日認定された「理由」 ほか)
第4章 ネット右翼の正体―お前ら、日本をどうしたいんだ!(「ネット右翼」に思想的なものは何もない;下から見上げる「目線の構造」 ほか)

著者等紹介

安田浩一[ヤスダコウイチ]
1964年生まれ。『週刊宝石』『サンデー毎日』などの記者を経て、現在はフリーのジャーナリストとして活躍

山本一郎[ヤマモトイチロウ]
1973年生まれ。1996年、慶應義塾大学卒業。投資会社経営の傍ら、著作家やブロガーとしても活躍

中川淳一郎[ナカガワジュンイチロウ]
1973年生まれ。1997年、一橋大学卒業後、博報堂入社。2001年に同社を退社し、雑誌編集者などを経て、06年からインターネット上のニュースサイト編集者に(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

harass

44
2013年に出版された『ネット右翼』についての本。三名がそれぞれの章で論じて最終章での鼎談の構成。ネットでの『愛国者』の言動や活動についての論考。ネットサーフィンを続けていると飽きるほど聞く話が多い。陳腐極まりないコピペだけの知性でただのレッテル貼りを繰り返すだけで、ほくそ笑んだり使命感を持つ人が多くいることに呆れてしまう。彼らの心情も考察する。「ネットはネットにのめり込む人間ほど声が大きく、ネットにのめり込める人間はそもそも無能な暇人なのである。」ああなんというジレンマ。論者三人の煽り気味な口調に笑う。2016/07/19

みのゆかパパ@ぼちぼち読んでます

27
「ネット右翼」と呼ばれる人たちの行動や論理の矛盾を分析した一冊。彼らの論理のトンデモぶりに笑わされもしたのだが、デマともいえる事柄がネットを通じて大量に拡散されることで、それがいつしか既定事実として扱われることで、一部の人たちへの迫害に結びついているというのは実に怖い現象でもある。そうした行為の背景には、都合のいい情報だけから世の中を見るという誰でも陥りがちなことがあるだけに、いっそうの深刻さを感じてしまう。ネット右翼をちゃかした物言いが気にはなるが、問題提起としては示唆に富み、考えさせられる一冊だった。2013/03/14

KJ

7
何故ネットの住人は右へと寄っていくのか。何もネットは右の専売特許ではない。ただ、現状に不満を抱く者にとって都合良くハマったのが「右」というスタンスであり、そのためのツールとして最適なものがネットだったのだろう。人は往々にして、客観的な事実よりも、自分の信じたい物語を信じ込もうとする。ネットで世論を形成するためには、相応の時間も労力もかかる。それが出来る人間は限られているが、結果として作り上げられた強い印象を残す意見が影響力を持ち、現実に「媚びる政治家」と「ビビる企業」を生み出してしまう。それが問題だろう。2014/03/01

JunTHR

7
それぞれの章で、安田さんは取材を通した彼らの平凡な素顔とネット右翼の活動での醜悪さの落差を強調し、山本さんはTwitterなどネット上での言説を冷静に分析し、中川さんは具体的な事例を生真面目にツッコミつつ罵倒する。なるほどいいバランス。鼎談はまぁ緩いけど、ネット右翼へのアドバイスじみた感じすらあって面白い。2013/01/31

Naoko Hosokawa

6
お恥ずかしながら、元ネトウヨです。大体、合っていると思います。でも、圧倒的に間違っていると思ったのはネトウヨが税金を払っていない、虐げられた人々だと言っている点。私が出会ったネトウヨは、自民党秘書をはじめ、会社社長、医者、公務員、電通、博報堂、大手企業の優秀な人材、士業、画家などの優秀な人でした。4割がた、調査が足りないと思いました。集団ヒステリー化してしまうというのはその通りだと思いました。2019/04/16

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/5819178
  • ご注意事項