出版社内容情報
最新の研究が教えてくれる生命38億年の歴史
最初の生命はどこで生まれたのか、生命を人工的に創りだすことは可能なのか、そもそも生命とはいったい何なのか。南極やサハラ砂漠など、極限環境の生物を研究する長沼毅が、生命の謎を解説。
内容説明
最新の研究が教えてくれる生命38億年の歴史。
目次
第1章 われわれはどこから来たのか(三八億年前に何が生まれたのか;生命体は「よくある現象」なのか、「稀な現象」なのか ほか)
第2章 生命とは何か(「定義」は難しいが「特徴」は挙げられる;「代謝」こそが生命の本質 ほか)
第3章 進化の歴史を旅する(進化は「結果」であって「目的」ではない;獲得形質は遺伝しない ほか)
第4章 何が生物の多様化をもたらしたのか(大型生物の登場;「目」の進化には、それほど多くの年数はかからない ほか)
第5章 人類の未来は「進化」か「絶滅」か(生物は何色の世界を見るか;思考は「比較」「類推」「関連づけ」といった要素から成り立つ ほか)
著者等紹介
長沼毅[ナガヌマタケシ]
1961年、神奈川県出身。生物学者、広島大学大学院生物圏科学研究科准教授。北極・南極・深海・砂漠など、世界の極地・僻地でのフィールドワークを中心に研究を行う(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
キムチ
49
読み終えたその日、Eテレ放映番組で視た「エッツィー殺人事件?!」とリンクして結構感慨深い想いで読了。5300年前と今でもヒトの感情の基はさほどに変わっていない。非常に平明、明確な語り口でありつつも中身が濃いだけにしっかと認識できたと言えない感じ。が、中高生期辞すんの行きたい方向を見出す1里塚になるかも。混迷を深めていく一方の国際社会に目を馳せても「生物の環世界と動的平衡」は人の意のままにはなりえない・・ものだなと。2022/01/16
BlueBerry
48
2014年の課題図書。目がいかにして出来上がったか?」のくだりが一番興味深かったかな。短めで高校生あたりには確かに良さそうな本だと思った。2014/05/08
カザリ
42
長沼さんの本は凄く好きで昔から読んでます。今回の論旨も人類がホモパックスという協調性遺伝子を獲得できたらという結論ですが、私は人類は遺伝子のスペックとして協調性が濃いホモパックスに進化は望ましくないと思います。生命は固体保存のために争うものだし、その過程で色々な発見や発明もして、反省もできる生物だと思います。遺伝子ではなく、人類は制度や法律によって自分を規制することが、種としての利点も生かせると思います。公害で消えた森を再生しようとしている足尾を見てやっぱりそう思いました2019/06/09
トムトム
27
現時点で分かっていることをつなぎ合わせて推測すれば、このぐらいが限界かしら。最初の1匹の生命はどのように生れたか?謎だらけです。まだ2000ピースジグソーパズルのフチ部分がつながった程度。全容はほとんど分かりません。最後の「人間が生き残るために」は蛇足かな。今いる全生命は結果として生き延びているだけで、○○のためにという訳ではない。全ては運次第って、前半ずーっと言ってたのに。長沼先生好きだけど、そこだけちょっと冷めた。2019/12/30
tetsu
23
★3 高校生の課題図書に指定されているので分かりやすく読みやすい。 ただ、突然変異や自然淘汰では、定向進化や昆虫などの擬態はうまく説明できていない。 生命と宇宙に関わる謎は人類の永遠のテーマだということを再認識。2015/08/16