内容説明
日本における民事紛争処理の上で重要な役割を担っている家事調停。その家事調停に長年携わってきた著者が、主要かつ根本的な問題を整理・検討。家事調停の理論と実務の発展を顧みて考える好著。家事調停委員家族法実務家のために。
目次
本編(家事調停における裁判官の責任―ある家族法学者への手紙;家事調停の対象となる事件の限界;家庭裁判所の事実調査;家事事件における調停と裁判―家事審判法第二三条の手続構造をめぐって;家事審判法第二三条の「合意」―「新両性説」の提唱;人事・家事事件における保全処分―子の引渡しを求める事件をめぐって;家事調停論)
補論(家事調停の筋と姿・形―家事調停序論;べからず一〇条べし三条―「調停委員としてのプロ」を目指して;家族法の基本問題―新任の家庭裁判所調査官へ―)
小論(家事調停における調停委員の役割;裁判官と調停委員との「評議」;三島由紀夫と家事調停―近代能楽集「弱法師」より;“論文紹介”H.H.Foster,Jr.,Concliation and Counseling in the Courts in Family Laws Cases.;“監訳”ヴィクター・J・バウム「離婚に関する一事実審裁判官の随想―この社会問題と法律家のなし得ること―」)
ケース研究(ある不可解な夫婦の離婚調停事件―司法研修所「身分法セミナー」でとりあげたケース;子はかすがいか?―「二四条審判」でしめくくったケース;夫婦関係(内縁)調整事件―「中間調停」の生きたケース)
増補 離婚・調停・人訴について―一実務家の覚書
著者等紹介
高野耕一[タカノコウイチ]
大正13年5月東京・浅草に生れる。昭和24年3月東京大学法学部政治学科卒業。昭和26年3月同法律学科卒業。昭和28年4月裁判官になる。任官以来旭川、函館、東京、長野、大阪、那覇、福島の各裁判所に勤務。この間司法研修所教官、那覇家裁所長、福島地裁所長を経る。昭和60年1月東京高裁判事(部総括)。平成元年5月定年退官同月大東文化大学法学部教授になる。平成5年5月弁護士になる(第一東京弁護士会)。平成7年3月大東文化大学法学部教授定年退職。弁護士。平成22年2月13日逝去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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