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内容説明
1909年のウィーン、著名な俳優オイゲン・ビショーフの家では友人たちが楽器をもって集まり、演奏に興じていた。歓談中、余興として次の舞台で演じる新しい役を披露するよう求められたビショーフは、役づくりと称して庭の四阿にこもった。しかしその後、突如鳴り響いた銃声に駆けつけた一同が目にしたのは、拳銃を手に握りしめ、床に倒れたビショーフの瀕死の姿だった。現場は密室状況にあり、自殺に間違いないと思われたが、客のひとり、技師ゾルグループは「これは殺人だ」と断言する。俳優の最期の言葉「最後の審判」とは何を意味するのか。ゾルグループが真犯人だという「怪物」の正体とは?折しもウィーンの街では不可解な「自殺」事件が頻発していた…。「重要な先駆」とバウチャーが賞揚、ボルヘスが惚れ込み、鮎川哲也や都筑道夫の言及でも知られる伝説的作品がついにヴェールを脱ぐ。
著者等紹介
ペルッツ,レオ[ペルッツ,レオ][Perutz,Leo]
1882‐1957。プラハのユダヤ人の一家に生まれる。1901年にウィーンに移住、文学グループに加わり、保険会社で働きながら執筆に勤しむ。第一次大戦中に発表した幻想歴史小説『第三の魔弾』(15)、パウル・フランクとの合作『マンゴー樹の奇跡』(16)は評判を呼び、一躍人気作家となる。つづく『九時から九時の間』(18)、『ボリバル侯爵』(20)、『最後の審判の巨匠』(23)、『どこに転がっていくの、林檎ちゃん』(28)などの作品は各国語に翻訳され、全欧的な名声を獲得した。独墺併合の1938年にテル・アヴィヴへ亡命。戦後はオーストリアとパレスティナを往復しながら創作を続けた。『夜毎に石の橋の下で』(53)はルドルフ二世の魔術都市プラハを描いた傑作。近年、世界的な再評価が進んでいる
垂野創一郎[タルノソウイチロウ]
1958年香川県生まれ。東京大学理学部数学科卒
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