出版社内容情報
戦後73年の今夏、ユニークな〈象徴〉天皇論が誕生する!
グローバル資本主義が猛威をふるう今日、民主主義の成熟のためにいま一度、天皇について考えよう。
「保守」の思想としてではなく、「変革」の思想として天皇が論じられてきた歴史を、
吉田松陰、伊藤博文、美濃部達吉、穂積八束、北一輝、福沢諭吉、和辻哲郎、西田幾多郎、丸山眞男、田辺元にいたるまで丹念に追ってゆく。
象徴天皇こそ天皇制の本質だった?
田中久文[タナカキュウブン]
著・文・その他
内容説明
平成二十八年八月八日の午後、天皇の「おことば」による生前退位の意思表明は、象徴天皇制を根源的に見直す発端をつくった。しかし戦後民主主義下において、これまで天皇について十分に議論が尽くされたと果たして言えるのか。かつて、天皇は近代日本思想の中心的命題であった。思想史を熟議することで見えてくるのは、グローバリゼーションと市場原理主義の時代に、日本の民主主義を推し進める天皇制を創造する道筋である。
目次
第1章 国体
第2章 統治
第3章 象徴
第4章 論争
第5章 合議
第6章 責任
第7章 聖徳
第8章 変革
第9章 宗教
著者等紹介
田中久文[タナカキュウブン]
1952(昭和27)年埼玉県生まれ。哲学者。東京大学文学部卒業。同大学院人文科学研究科博士課程修了。現在、日本女子大学教授。専門は日本思想史。京都学派を中心に、近代日本で花開いた哲学思想をたどり直し、現代にも共通する「本質」を掘り起こしている。主な著書に『九鬼周造』(ぺりかん社、第一回中村元賞受賞)などがある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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