内容説明
ファーブル昆虫記で名高いフン虫たちは、自然界の掃除屋として生態系の中で重要な働きをになってきた。しかし近年、自然破壊が進むなか、ついに彼らも絶滅への道を歩み始めたのではないか…?長年の調査研究の成果と、とっておきのエピソードで語る、フン虫の博物誌。
目次
1 初めてのフン虫とのであい(シロオビヒメヒカゲの飛ぶ大学へ;北見・ナガニセマグソコガネ;マルツヤマグソコガネにであう ほか)
2 絶滅から逃れるために(クチキマグソコガネの二一世紀;群馬フン虫誌;ヤマトエンマコガネは消えていくのだろうか? ほか)
3 多様性は美しい(南西諸島フン虫誌;ほんものの自然とは・ケニアで考える;共生・モンゴルで考える ほか)
著者等紹介
塚本珪一[ツカモトケイイチ]
1930年京都生まれ。京都府立農林専門学校で応用昆虫学を学ぶ。平安学園教諭、北海学園北見大学教授を経て、現在、平安女学院大学教授。フン虫の調査・研究のかたわら、1977年のK2をはじめ10数回にわたりカラコルム等登山隊に参加。自然活動の指導者としても活躍
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感想・レビュー
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つちのこ
2
著者はフン虫研究の第一人者。ファーブル昆虫記に出てくるフンころがしを思い出してほしい。日本には糞を転がす種類はいないが、著者は糞を食べる虫の話を熱く語っている。 その軽快な文章につられてどんどんフン虫の世界に引き込まれていく。気づいたときには、高原のすがすがしい風を感じながら、牧場にある大きな馬糞をひっくり返して、フン虫を探している自分を想像してしまうのだ。 さてこの本、満員電車の吊革読書で読み切ったが、表紙のタイトルが気になり、妙齢の女性の前では本を開くのがちと恥ずかしかった。(2006.7記)2006/07/14