細胞工学別冊
進化の謎をゲノムで解く

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  • サイズ B5判/ページ数 198p/高さ 24cm
  • 商品コード 9784780909227
  • NDC分類 467.5
  • Cコード C3045

出版社内容情報

ゲノム解析技術により劇的に発展する進化学の最先端を紹介.進化の仕組みから,個々の生物種の進化まで幅広く取り上げる.

ゲノム解析技術の進展により,劇的に変わりつつある進化学の最先端を紹介する.進化の仕組み,最新の解析技術から,カメの甲,チョウの擬態,カブトムシの角など,個々の興味深い形質の獲得過程まで幅広く取り上げる.

内容説明

カメの甲、チョウの擬態、食虫植物…読みたい生物のゲノムが読める時代。手つかずだった数々の進化の謎が、今、解き明かされる。

目次

1章 進化学の現在(進化学に残された謎:複数の形質が絡み合う進化プロセスはどのようにして可能か?;進化を解明するツールとしてのゲノム解析技術)
2章 進化の仕組みと原動力をゲノムで探る(適応進化はどのように起こるのか?―大腸菌進化実験によるアプローチ;トゲウオの種分化はどのように起こるのか?;20世紀以降にも種分化は起きている:ゲノム重複による新たな環境への適応;ジャンクDNAはどのようにして哺乳類特異的な脳形成に関わったのか?)
3章 特殊形質の獲得過程をゲノムで探る(食虫植物はどのような遺伝的変化によって進化したのか?;カメの甲の初期進化:約2億5000万年前に何が起きたのか?;カブトムシの角はどのように進化したのか?;カラカラに干からびても死なない秘密:極限的な乾燥耐性はどのように進化してきたのか?;アゲハチョウの擬態はどのように進化したのか?;昆虫の食性の進化を遺伝子で説明できるか?―カイコガ科におけるクワへの適応を例にして;陸貝食オサムシの巨頭型と狹頭型:適応的形態分化はどのように起こるのか?)
4章 共生は進化に何をもたらしたか(共生により昆虫はどのように進化してきたのか?;根粒共生系の進化ダイナミクス;サンゴ礁を生んだ無脊椎動物と藻類の共生は、どのように進化したのか?)
5章 書き換えられる系統樹(藻類の系統;陸上植物の系統;無脊椎動物と脊椎動物の間)

著者等紹介

長谷部光泰[ハセベミツヤス]
基礎生物学研究所/総合研究大学院大学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Tsukasa Fukunaga

1
ゲノム科学の進展により生まれた進化研究についてのオムニバス的書籍。大腸菌の実験進化学から、カブトムシの角やアゲハチョウの擬態といった特殊形質の進化、またゲノム情報によりupdateされつつある系統学など様々な分野について記載されている。各章それぞれが面白く、研究者の情熱を強く感じられる本である。まだ発表されていないゲノムデータも多いなど、現在まさに進展中のテーマであることを感じさせられ、分野としての熱気を感じることも出来る。各論から一般論へどう踏み込むかというアプローチは今後の課題だろうか。2015/09/03

Shotaro

0
新学術領域「複合適応形質進化の遺伝子基盤解明」の成果を一般向けにまとめた本。各研究者がオムニバス形式で研究成果をまとめている。微生物、カブトムシ、カメ、食虫植物と多種多様な生物を対象にした研究が行われているが、その背景にはゲノム解読などの技術の進歩により、非モデル生物を対象にした研究が行いやすくなったことがある。すなわち、「面白い!」と思った生命現象をそのまま研究対象にできる時代がやって来ていることが実感できる。また、自分の興味が本書の第3章「特殊形質の獲得過程をゲノムで探る」にあることも再確認できた。

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