出版社内容情報
スタインベック没後50年(2018年)記念出版。
20世紀アメリカ文学を代表するノーベル賞作家、
ジョン・スタインベック(1902-68)。
「人種問題」、「核の問題」、「環境問題」、
「貧富の格差問題」、「人権の問題」、
「生と死と愛の問題」等々、
今日的課題を真摯に受け止め、
20世紀アメリカに大きな痕跡を残した。
スタインベックが、個人的な経験、社会的・歴史的事件
(世界大恐慌、二つの世界大戦、冷戦体制、公民権運動、
環境破壊など)、さらに時代思潮などを、
どのように自己の物語世界のなかに織り込んだかを考察し、
人間観の特質と変遷を検証、その普遍的価値を再評価する。
第1作『黄金の杯』(1929)から各代表作、
旅行記『チャーリーとの旅』(1962)、
そして最後の作品『アメリカとアメリカ人』(1966)まで取り上げ、
スタインベック文学の特質に迫る。
ウォルト・ホイットマン、ヘンリー・D・ソローとの比較考察、
国際ペン東京大会(1957)に出席するため、
来日したときの貴重なエピソードも紹介する。
内容説明
20世紀アメリカ文学を代表するノーベル賞作家、ジョン・スタインベック。人種問題、核の問題、環境問題、貧富の格差等、今日的課題を自己の物語世界に織り込み、20世紀アメリカに大きな痕跡を残した。スタインベック文学の人間観の特質と変遷を検証、その普遍的価値を再評価する。ウォルト・ホイットマン、ヘンリー・D.ソローとの比較考察、国際ペン東京大会(1957)に出席するため、来日したときの貴重なエピソードも紹介する。
目次
スタインベック文学の特質
処女作『黄金の杯』―スタインベック文学の萌芽
『知られざる神に』―「日常の世界」から「神話の世界」へ
『トーティーヤ・フラット』―アーサー王伝説のテーマとパラドックス
スタインベックの人間像―個人と集団の二重性
『はつかねずみと人間』―自然主義文学的特質と社会的弱者への眼差し
『怒りのぶどう』の物語世界―ホイットマン「私自身の歌」との比較考察
『キャナリー・ロウ』―「道」の世界を探る
スタインベックの「潮だまり」とソローの「湖」―宇宙像を育む場
『爛々と燃える』“劇小説”―殺す側の態度〔ほか〕
著者等紹介
上優二[カミユウジ]
1951年福岡県生まれ。創価大学大学院修士課程修了。アメリカ文学専攻。2002年より創価大学文学部教授、2015年6月、死去。カリフォルニア州サンノゼ州立大学客員研究員(2005年4月から2006年3月まで)。2015年6月当時、日本ジョン・スタインベック協会理事、国際スタインベック学会アジア地域支部代表理事(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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