感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
眠る山猫屋
43
加古編からの怒涛の展開。勝っても負けても自分は死ぬ。そう判ってしまったら、自暴自棄になる加古の心情は理解できる。むしろ他の子供たちが〝自分の大切な人の為に〟悄々と死を選ぶのが異常なんだ。…なんだけど。 きっと読者は、そこに理想の死に様を見る。だが単純には行かせない作者は、千鶴を登場させる。巨大ロボットの力で、自分を蹂躙した汚い大人の男たちに制裁を加える。絶望しかない修羅場。この物語で最悪の辛い展開に、読者はきっと惑う。真実とか現実とかより、自分の望みの方が天秤上では重いのではないか、と。(続く)2020/07/14
JACK
11
☆ 地球を守る戦いに強制的に駆り出される15人の子供たち。戦闘が終わるたびに1人ずつ死んでいくという枠組みの中で、子供たちの様々な人生が描かれる。死の恐怖に自暴自棄になる者、憎い相手を殺す者、難病の幼なじみに自分の臓器を残す者、自分が死んだあとに残される家族に思いを馳せる者。生と死を真っ直ぐに見つめる重くて辛い物語ですが、読まずにはいられない。2020/07/24
ささやか@ケチャップマン
6
はじめて読んだとき、本田千鶴の物語は私にめっちゃ影を落としたよ……。2023/03/04
蝉、ミーン ミーン 眠ス
1
作品後半の諦観とともに戦う姿も好きだがこのあたりの混沌とした状態はまた別の面白さがあるし本当によく練られた緻密な構成だ。2022/12/31
烏鳥鷏
1
一番胸糞悪いところであるカコ編とチズ編。終盤は子供たちが死への覚悟を完了してある種の清涼感すらあるが、ここら辺は泥沼。 チズはなんでキリエには心開いてたのか?という想像はできるけどつぶさには語られていない部分が構想メモでわかる。構想は構想はだが。販促POPに使われていたイラストが収録されているのも嬉しい2020/11/07