出版社内容情報
岡本太郎が目撃した占領統治下の沖縄
1959年、岡本太郎はアメリカ占領下の沖縄を訪れた。ほんの骨休めのつもりが、着いたとたんに沖縄の魅力に引き込まれていく。気がつくと、自分を惹きつける相手にギリギリっと寄り、感動にふるえながら夢中でシャッターを切っていた。
太郎がそこまで感動したのは、沖縄に「忘れられた日本」を見たからだ。そこには現代の日本人が押しやってしまった日本、失われてしまった日本が息づいていた。
「これこそ、オレたち自身なんだぞ、日本そのものなんだぞ」。太郎は沖縄で日本を発見し、自己を発見した。清冽に生きる沖縄の人々に日本人の、そして自分自身の根源を見たのだ。このときの体験がのちに「沖縄文化論」に結晶する。
沖縄にとりつかれた太郎は1966年、再び沖縄に降り立つ。12年に一度行われる女だけの神事イザイホーを見るためだった。いまは見ることができないこの呪術的な儀礼を含め、太郎は沖縄の多彩な表情をフィルムに収めた。
太郎が撮った「沖縄」には、日本の、そして日本人の原点が刻まれている。貴重な歴史史料であり、唯一無二の文化遺産だ。だれもが、そしていまこそ向き合うべき「日本」がここにある。
内容説明
それは私にとって、一つの恋のようなものだった。アメリカ占領下の沖縄でその魅力に引き込まれた、太郎が撮った「沖縄」。
著者等紹介
岡本太郎[オカモトタロウ]
芸術家。1911年生まれ。29年に渡仏し、「アブストラクシオン・クレアシオン(抽象・創造)協会」に参加するなど30年代のパリで前衛芸術運動に参画。パリ大学でマルセル・モースに民族学を学び、ジョルジュ・バタイユらと活動をともにした。40年帰国。戦後日本で前衛芸術運動を展開し、問題作を次々と社会に送り出す。51年に縄文土器と遭遇し、翌年「縄文土器論」を発表。50年代後半には日本各地を取材し、数多くの写真と論考を残した。70年大阪万博のテーマプロデューサーに就任
平野暁臣[ヒラノアキオミ]
空間メディアプロデューサー/岡本太郎記念館館長。1959年生まれ。岡本太郎創設の現代芸術研究所を主宰し、空間メディアの領域で多彩なプロデュース活動を行う。2005年岡本太郎記念館館長に就任(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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