内容説明
そもそも字と絵の表現は一体のものだった。象形文字のいわれや変遷などをたどらなくとも、無心に楽しんで字を書いていると自然に絵になってしまう―。岡本太郎が遺した“書”を言葉とともに。
著者等紹介
岡本太郎[オカモトタロウ]
1911年岡本一平・かの子の長男に生まれる。東京美術学校に入学するもすぐに中退し、パリに渡る。数々の芸術運動に参加する一方、パリ大学で哲学・社会学・民族学を専攻、ジョルジュ・バタイユらと親交を深める。戦後日本で創作活動を再開し、アバンギャルドの旗手として次々と話題作を発表。70年の大阪万博ではテーマプロデューサーを務め、『太陽の塔』を制作した。1996年没
平野暁臣[ヒラノアキオミ]
空間メディアプロデューサー、岡本太郎記念館館長。1959年生まれ。岡本太郎創設の現代芸術研究所を主宰し、多彩なプロデュース活動を行う。2005年岡本敏子の急逝を受けて岡本太郎記念館館長に就任(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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パフちゃん@かのん変更
71
「芸術は爆発だ」の岡本太郎氏の書。まさに、1ページ目から爆発していますw(゜o゜)w 書が絵のように描かれており、添えられている詩のような言葉がまたカッコいい。比類なき人ですね。男女に添えられている奥様の言葉がまたいいですね。こういう方でないと、この天才とは付き合っていけません。私が一番好きな字は「遊」ほとんど踊っています。それられた文を読んで、ふと、岡本太郎氏の家はどんなのだろうか、と猛烈に興味がわきました。画像検索したら出てきたこれは家?それとも記念館?華々しいものです。2015/06/19
Y2K☮
43
荒ぶる魂を叩きつけた我儘な書の数々。溢れる情念が先端を尖らせ、お上品な型をぶち壊し、吐き出されたマグマが迷路を築く様にうねりまくる。アニメ「北斗の拳」の千葉繁の次回予告を擬人ならぬ擬字化したらこれに近いか。人生の諸々に煩わしさを感じたら岡本太郎の言葉に触れるのが一番。彼は有り余るエネルギーを無駄にこじらせず、毎日を燃え尽きる様に生き切った人だ。むしろそれだけ。難しく考えなくても己の使命と戦ってたら嫌でも時は過ぎる。結果も出る。勝てば新たな道が開かれ、負ければ夢の続きが始まる。再確認。期待以上に力を貰えた。2015/08/22
ふ~@豆板醤
23
すごい。これは衝撃。「太郎象形文字」とエッセイの数々。書道をかじっていた身としては「字は絵だろ」という一言にやられた。きれいな字・そうでない字という価値観、書き順やとめはねというルールすら超越しぶち壊していく太郎イズムが頭に焼き付いた!タイトル通り、ドキドキしちゃう本(笑)「楽」という字のページ(危険な方の道を選び力強く生きる=生きる楽しさ)が響いた。2017/01/11
レニ
16
「字は絵だろ。」の帯に惹かれて。ぐいぐいと描かれた文字のひとつひとつから、熱を感じる。「顔」という字についての文章の一部「人は誤解を恐れる。だが本当に生きる者は当然誤解される。誤解される分量に応じてその人は強く豊かなのだ。」2014/07/17
プンヴァ
12
本のサイズが小さいので書架に並んでいると他の本に埋もれてしまいそうですが、ページを開くと文字が躍り出し心を掴まれます。「男女」の文字に添えられた敏子さんの言葉に、愛情と信頼を感じました。2015/03/19