内容説明
本書の主題は、鳥類と恐竜の緊密な類縁関係を拠り所とし、鳥類の進化を再解釈することと、恐竜の生態を復元することである。この本は恐竜学に対する挑戦状ではない。身の程知らずのラブレターである。
目次
序章 恐竜が世界に産声をあげる(恐竜とはどんな生物か;恐竜学の夜明け、そして…)
第1章 恐竜はやがて鳥になった(生物の「種」とはなにかを考える;恐竜の種、鳥類の種 ほか)
第2章 鳥は大空の覇者となった(鳥たらしめるもの;羽毛恐竜は飛べるとは限らない ほか)
第3章 無謀にも鳥から恐竜を考える(恐竜生活プロファイリング;白色恐竜への道 ほか)
第4章 恐竜は無邪気に生態系を構築する(世界は恐竜で回っている;恐竜の前に道はなく、恐竜の後ろに道はできる ほか)
著者等紹介
川上和人[カワカミカズト]
森林総合研究所主任研究員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
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mitei
382
やや冗談が冗長に感じられたが、とても内容がわかりやすく書かれていたのが良かった。進化というのは色々と謎が多いなぁと思った。化石からはやはりわかりにくい所が多い恐竜時代だなと思った。2017/08/26
徒花
318
前評判で聞いていたよりもそんなに笑えなかった。ちょっとギャグが上滑りしている感じがして、あまり相性が良くないのかもしれない。基本的に鳥類学者が現在の鳥類の特徴と恐竜の化石などから類推できることを想像をベースに語っているだけなので、とくにエビデンスとかそういうものはないが、むしろ現代の鳥類の特徴(フクロウの目玉がめちゃくちゃでかいとか)などのほうがおもしろい。あと、恐竜の生きていたころを化石などだけで考えるのがどれくらいむりげーなのかもよくわかる。2017/06/24
修一朗
132
鳥類学者からすると,今の恐竜学の活況はワクワクしてたまらないんだろう。鳥類学で培った知識をもって推定すれば,あんなことだってこんなことだって言えちゃうんだけども,専門家サマには遠慮しなくちゃっていうスタンスからこんな本が出たのだね。化石の情報だけで組み立てないといけない恐竜学と観察を主とする鳥類学とを組み合わせれば,ちょっと大胆な考察もできますぜ,がたくさんあって楽しい。もっとカラー図解があったらよかったけども。その内,この中からいくつかの仮説が実証されるかもという期待感がありました。 2018/08/23
小梅
124
大変面白かったです。ヘェ〜と初めて知る事も多かったが、時折笑える例えがあるのも楽しいし、文章から明るさが感じられるのが良いですね。先日NHKスペシャルに川上和人先生がチラッと出ていらして、思わず「あ〜恐竜を語ってる先生だ!今読んでますよ〜」とテレビに向かって手をふってしまいました(笑)たぶん、この本を読んでる最中に映画「ジェラシックワールド」を観に行ったからか、羽根を持つ恐竜が居ない!カラフルな恐竜が居ない!といちいち文句つけたくなりました(笑)2015/08/30
マエダ
94
いやいや面白すぎやしないか。2015年の最後にいい本に出会ってしまった。内容もさることながら、本書には本のよさ全てが詰まっている。ここは正直言葉では説明しづらい部分であるがわかっていただける人もいると思う。本の感想はじっくりHPにて書きたいと思う。 2015/12/29