内容説明
自ら期するところあって晩年八年間の歳月を費やし、残り火の全てを爆発的に燃焼させて執筆した五巻九冊に及ぶ白眉の“伊藤戦史”の冠頭と掉尾をかざる感動の二大著作を収載。
目次
連合艦隊の最後(艦隊成るまで;真珠湾の回想;順風満帆の緒戦;ミッドウェー海戦;ソロモン消耗戦;マリアナ海戦;レイテ海戦;二つの特攻作戦)
連合艦隊の栄光(サボ島海戦の完勝;完全勝利の内容;残る戦略問題;海空戦の初勝利―サンタ・クルーズ海戦;タサファロンガ海戦の勝利;米英を3倍抜く;世界一の好運艦「雪風」;不沈駆逐艦の意気;不眠不休の大活躍)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
イプシロン
34
戦後10年を経て描かれた「連合艦隊」の戦記。あくまでも「連合艦隊」つまり戦艦をはじめとする艦〔フネ〕――艨艟たちの戦記である。軍艦は狭義には菊の紋章を艦首に戴いたフネ。それ以外は艦船・艦艇と種別した連合艦隊がいかに戦い滅んでいったかを謳った戦記である。したがって、海軍全般に渡る戦記ではないし、戦史ともいえない微妙な位置にある著作。だが、その後の旧海軍戦記に絶大な影響を与えた名著といえる。海戦に関する批判は、研究の進んだ現代と比すべきではないが、あの戦争中に生起した諸海戦をほぼ正確に描写しているので、2020/12/13