出版社内容情報
ハーバーマスらフランクフルト学派の人びとの考察やアレントの批評を踏まえ、ホロコースト研究・論争がどのような様相になっているのかを便覧。どのような歴史条件・社会状況・国際関係が、個人の倫理観に影響を与え得るのか、そしてそれがなぜ、歯止めのきかない暴走を起こすのか、を社会的文脈を辿り、個人の倫理の崩壊過程を考察。キーワードは、「ホワイトカラー層の焦燥」と「アイデンティティーの迷走」。社会哲学の視点でホロコーストを見詰め直す。
根本正一[ネモトショウイチ]
著・文・その他
内容説明
民主主義の責任とは何か?ナチの犯罪を生み出した本当の原動力とは何か?ワイマール時代からナチ政権に至る社会プロセスに、社会哲学の視点で迫る。
目次
序章 ホロコーストとは何か?(ホロコースト論議は百家争鳴;ファシズムのなかのナチズムの思想的特異性 ほか)
第1章 近代ホワイトカラー層の苦悩(ホロコーストの加害者心理とは;ホワイトカラー層の実態とその深層心理 ほか)
第2章 開戦に至るドイツの思想的展開(ワイマール共和国とナチズムの接点;「国民国家」の生んだ危ない時代精神)
第3章 組織論からみたホロコースト(組織ヒエラルキーの生む暴走;ナチ首謀者・党員の性格はこう育まれた)
第4章 理性と暴力(冷戦終結で再び進む国家・民族の分裂;アメリカの理念が崩れ去る? ほか)
著者等紹介
根本正一[ネモトショウイチ]
1955年、東京都生まれ。79年、早稲田大学商学部卒業と同時に、日本経済新聞社入社。長く編集記者として、経済を中心に取材・執筆活動を続ける。早稲田大学大学院社会科学研究科博士後期課程満期退学(社会哲学専攻)。博士(学術)。早稲田大学メディア文化研究所招聘研究員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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