内容説明
裁判員法施行から10年以上―司法のあるべき姿を問い直し、改めて裁判員制度廃止を訴える。増え続ける裁判員辞退者、上級審であっさり破られる裁判員裁判判決…本質的に違憲かつ人権侵害のおそれがあるこの制度を、なぜいつまでも存続させるのか?裁判員制度が招く司法倒壊の危機。
目次
第1章 裁判員制度の現在(改めて一般市民の裁判関与を考える―裁判員制度の落し物;「司法の国民的基盤の確立」とは;オウム真理教事件無罪判決と裁判員制度;東電元役員に対する強制起訴事件無罪判決について)
第2章 裁判員制度と国民(最高裁による裁判員出席率・辞退率の調査について;裁判員の職務の苦役性について―柳瀬昇教授の「続:裁判員制度の憲法適合性」の論点に関連して;裁判員経験者の「よかった」感想について;裁判員の守秘義務に関連して思うこと;教育勅語と裁判員制度―二人の研究者の見解に接して)
第3章 裁判員制度の違憲性(裁判官の独立と裁判員制度;国民の公務員選定権(憲法一五条)と裁判員選任―裁判員の民主的正統性について
最高裁判判決擁護論批判―柳瀬昇教授の見解について)
第4章 裁判員制度が招く司法倒壊(司法倒壊への警告;裁判員制度に見る司法の危機;裁判員制度の必要性―費用対効果も考えて;国家不審時代に生きる)
著者等紹介
織田信夫[オダノブオ]
1933年仙台市にて出生。1956年東北大学法学部卒。1963年判事補。1970年弁護士登録(仙台弁護士会)。1988年仙台弁護士会会長。1989年日本弁護士連合会副会長。1999年東北弁護士会連合会会長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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