ｔｒａｕｍａ 誰もが傷ついた心をもっている

コンティ，ポール【著】〈Ｃｏｎｔｉ，Ｐａｕｌ〉/田畑 あや子【訳】

かんき出版（2023/02発売）

• サイズ 46判／ページ数 288p／高さ 19cm
• 商品コード 9784761276522
• NDC分類 493.74
• Cコード C0030

出版社内容情報

トラウマ:《名詞》精神的・肉体的苦痛を引き起こし、その後の人生にも傷跡を残すもの。

これまで正体の明かされてこなかった「トラウマ」に焦点をあて、トラウマがどのように引き起こされるのか、トラウマが脳や心理的な面でどのように影響を及ぼすかを紹介していく。

世界に蔓延する「トラウマ」というウイルスは、人の思考や行動を無意識に変えてしまうほどの力をもつ。人生をよい方向に変えるために知っておきたい、トラウマのすべて。

内容説明

「気づかないふり」をしてきたあらゆる「心の傷」を癒やす方法。

目次

第１部　トラウマの正体とその仕組み（トラウマとは何か；トラウマのタイプとポストトラウマ・シンドローム；トラウマの「共犯者」を追い払うには；子どものころのトラウマについて；思いやり、共同体、人間性）
第２部　トラウマの社会学（トラウマによって脳はどう変化するか；社会的なトラウマがもたらすもの；社会的な病の解決策）
第３部　脳の取扱説明書（トラウマが思考に与える影響；人生の中心「大脳辺縁系」；トラウマが脳と身体のルールを書き換える）
第４部　トラウマに打ち勝つために（自分を取り戻す家路；知恵と根気と、真の身の上話；社会全体でトラウマを癒やしていくために）

著者等紹介

コンティ，ポール［コンティ，ポール］ ［Ｃｏｎｔｉ，Ｐａｕｌ］
臨床精神科医。ニュージャージー州トレントンでイタリア系の家庭に生まれる。教職の母、不動産会社経営の父のもとに育ち、ペンシルバニア大学で政治学と数学を専攻。２５歳のときに弟の自死を経験し、スタンフォード大学医学部へ進学。その後、ハーバード大学にてチーフレジデントとなる。現在、ポートランドとニューヨークに心療内科専門クリニックを持ち、全米のみならず、海外にもクライアントがいる。レディー・ガガの主治医としても有名。多くのことに感謝の気持ちを持ちながら、勇敢で幅広い教養を持つ妻、洞察力にすぐれエネルギーに満ちたふたりの娘と暮らす

田畑あや子［タバタアヤコ］
英語翻訳者、英語講師（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

[ホシ]

精神科医によるトラウマ解説書。学術書ではなくエッセイといった趣。もちろん本書のようなスタイルを好む方もいるでしょうが、私はもう少し学術的な解説を期待していたので、やや期待はずれでした。著者はいかにトラウマが厄介な存在であるかを読者に伝えるべく豊富な比喩を用いますが、その比喩がやたら多く冗長で、後半は食傷。構成も内容が前後していて、まとまりに欠ける感じがします。とはいえ著者の主張には全面的に首肯できます。耐えがたい経験をした精神科医ならではの深い洞察にトラウマの見方が変わりました。

2023/07/01

[kawauso]

つらくなって、立ち止まって考えたいときに読むと回復のためのヒントをもらえる

2023/08/10

[Nekotch]

ガガの主治医による書。本書によって、自分の経験に納得がいくというか言語化された感覚。過去には本当に楽しくて人生最高とすら思える時間があった。そこに入り込んだのは他者によって傷つけられた経験によるトラウマだった。あれほど輝いて美しかった瞬間すら、ネガティブが侵食し埋め尽くすことで思い出すのもつらい、嫌な記憶に代わってしまう。

2023/05/28