共感という病―いきすぎた同調圧力とどう向き合うべきか?

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共感という病―いきすぎた同調圧力とどう向き合うべきか?

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  • サイズ B6判/ページ数 240p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784761275600
  • NDC分類 361.4
  • Cコード C0030

出版社内容情報

内田樹氏、石川優実氏とのロング対談収録!

ビジネス、政治、恋愛、趣味――
至るところで重要視される「共感」。
その負の側面を明らかにし、
あるべき向き合い方を考察する。

【はじめに】より抜粋
共感はこの社会において、人々を繋げ、連帯を生み出し、時には社会や世界を良くしていくものとして、基本的にポジティブに語られています。
そしてそれのみならず、日々の人間関係においても共感の重要性は語られますし、ビジネスの領域においてもマーケティングからプレゼンテーションまで、一つの鍵となっています。

しかし同時に、私たちは共感といったものの胡散臭さも感じてきました。東日本大震災に対する「絆」に始まり、ラグビーワールドカップでの「ワンチーム」、東京オリンピック・パラリンピック開催に向けた「団結」など、それ自体は素晴らしいアイデアではありますが、どこかそうした美しい概念が本来の目的を超えた何かに対して恣意的に使われてきた節もありました。

たしかに「絆」や「ワンチーム」「団結」の内部は、最高に気持ちが良くて恍惚すらできるものですが、よく見てみると、その中にいない人がたくさん存在していることに気が付きます。むしろ外側にいる人に対して排他的であることも珍しくありません。「共感し合おう」「繋がっていこう」と言うと、なんとなく無条件に良いものである気がしますが、繋がっていくからこそ分断していくとも言えるわけです。

私はテロと紛争の解決というミッションの下に、テロリストと呼ばれる人々の更生支援やテロ組織と呼ばれる組織との交渉などを仕事としていますが、こうした仕事の中で、いかに共感の射程が狭いかということを嫌と言うほど味わってきました。
そうした立場として、言えることはないだろうかと考えました。共感に関する研究は、脳科学的な研究をはじめにさまざまありますが、共感に向き合う実践から生まれる見解や、より実践的な意見というものもあるはずだとも思いました。
そんな想いで共感に関する本や論文を読んだり、識者の方々と対談をさせていただいたりして、自分の考えを深めていきました。その結果、今回このような書籍となりました。

私は共感が全て悪いとは思っていませんし、そんなことを言うつもりも毛頭ありません。むしろ社会と世界を良くするために間違いなく重要な要素だと思うからこそ、共感が持つ負の面を理解し、自覚し、うまく付き合っていく必要があると思うのです。
本書はそうした理解の下で、共感を考察し、共感の捉え方や共感以外の手がかりを考えるきっかけを投げかけていきます。

内容説明

ビジネス、政治、恋愛、趣味―至るところで重要視される「共感」。その負の側面を明らかにし、あるべき向き合い方を考察する。

目次

第1章 キモくて金のないおっさんは、なぜ共感されないのか?
第2章 共感中毒がもたらす負の連鎖
第3章 紛争地域から見る共感との付き合い方
特別対談×石川優実 社会運動において自覚的にならなければいけないこと
第4章 戦略的対話―わかりあえない相手とのコミュニケーション
第5章 基本的に人はわかりあえない
第6章 共感にあらがえ
特別対談×内田樹 私たちは共感と、どう向き合うべきか?

著者等紹介

永井陽右[ナガイヨウスケ]
1991年、神奈川県生まれ。NPO法人アクセプト・インターナショナル代表理事。国連人間居住計画CVE(暴力的過激主義対策)メンター。テロと紛争の解決をミッションに、主にソマリアなどの紛争地にて、いわゆるテロ組織の投降兵や逮捕者、ギャングなどの脱過激化・社会復帰支援や過激化防止を実施。また、テロ組織との交渉および投降の促進、国連機関や現地政府の政策立案やレビューなどにも従事。London School of Economics and Political Science紛争研究修士。「Forbes 30 Under 30」や「King Hamad Award」など、国内外で受賞や選出多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

テツ

19
近頃の社会では共感能力だとか察する力だのを持ち上げ尊びすぎるあまり、他者の心中など絶対にわからないというあたりまえのことを忘れてしまっている。親兄弟、友人、パートナー。どんな間柄でも関係ない。他者の考えていることや感情などを真に知ることなんてできる筈がない。それを踏まえることをしないでのコミュニケーションなど困難からの逃避なのではないのか。わかりたいけどわかれない。わかってほしいけどわかってもらえない。そうした絶望を経て人は他者との関わり方についてようやく掴めるのではないのかな。共感を求めるのは病だ。2021/10/04

19
【自分の人生が、自分のものでなくなっていく…】読書メーターを始め、本の感想に「共感できない」との表現があると知った。確かに私も本の世界で、理解できない人物に沢山出会った。しかし、彼がなぜそんな行動をしたのか考えることが、読書の面白さではないのか?と思いもする。だから、脳内で人物をジャッジし、それをわざわざ不特定多数に公開する心理に、怖さ(と興味)を感じていた▼そんな「共感できない自分に共感してほしい」の背景が、少し見えてくる一冊。自分にも「いいね」依存になりがちな面があるため、これからも参考にしたい。2021/09/07

チャー

18
過剰な共感を求める風潮に疑問を投げかけた本。SNS等の発達で多くの場面で共感を求める雰囲気が溢れているが、紛争現場で問題解決に務める著者が人と人との分かり合うことに際する理念と現実を綴っている。弱者に共感を感じる際に、偏った傾向があるという見解は鋭い指摘であると感じた。置かれている状況は同じでもその人の属性の違いによって周りが感じる共感に違いが生じる現実がある。共感できないことを前提に問題解決の落としどころを見つけることが大事であるという指摘は納得。全ての人が同時に満足する解は存在しえない。2021/11/03

てつJapan

16
【とても良かった】共感に対して、どちらかというと否定的なスタンスの本。著者は紛争地域でのテロ組織からの脱退支援を業とする方で、その経験からの共感に対する論評はとても説得がありました。2021/11/24

miu

13
先日、永井陽右さんのドキュメンタリーを観た。ソマリアに行き投降兵やギャングの社会復帰支援を行っている。そんな彼も抱く共感に対する違和感。こんな風に考えることや問題意識を持つことをずっと忘れたくないなと思う。内田樹氏との対談だとてもよかった。2022/05/14

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