内容説明
日本橋木原店にある一膳飯屋塩梅屋は、冬の昼賄い、「車海老や魚の団子汁」で大にぎわい。そんなある日、差出人の名がない文が主の季蔵宛に届けられた。「いちご鯨汁、冬まつたけなど四品の料理を一日一品、田の神に届けよ。さもなくば、おまえの父の命は無い」―季蔵は、家族と愛する瑠璃と塩梅屋を守るために、目に見えぬ敵に戦いを挑む!驚愕のラストが待っています。二四〇万部突破の大ベストセラーシリーズ三十八巻、新たなるステージへ。
著者等紹介
和田はつ子[ワダハツコ]
東京都生まれ。日本女子大学大学院卒。出版社勤務の後、テレビドラマの原作などで注目される。ミステリー、ホラーの著作が多数ある。近年は時代小説を精力的に執筆(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
タイ子
67
シリーズ第38弾。あまり長くなると読者からのマンネリ感も漂ってきつつあるので、変化をつけなければという思いが感じられる今作。そこに驚きの展開を用意しているのだが、長く愛読していると大体の真相は読めてくるというもの。すでに縁を切った季蔵の家族を想う気持が切なく、それを逆手に取る悪玉のやり口が憎らしい。鯨肉料理や参鶏湯、はてはトリュフなど時代的には珍しいものが出てきて調理方法など興味深い。いろんな手法で料理とミステリーの融合を楽しませる本作、新たなステージということはまだまだ期待できるのかな。2020/01/31
小梅さん。
14
びっくりした! まさか、お奉行さまが?! それでも、終盤までは、いやいや、作戦でしょう、って思ってたんだけど、まじでまじでなの?! だんだん不安になってくる。 新登場の栄二郎。 料理への思いが素敵で、お家騒動もいい方向に向かってほしいと心から思う。 嘉助の活躍も嬉しかった。嘉助の番頭さんへの想いも素晴しい。 そういうお店で作ったお菓子、食べてみたかった。 季蔵に突きつけられたとんでもない脅しで堀田家の窮状が見えて切なかった。 物語が大きく動いたこの1作。 次が楽しみでならない。2020/01/25
ゆっくりさん
10
なんと38巻目。こんなに難しい文章だったっけ?と戸惑いながらも読み進めると懐かしさを感じました。今回は超人季蔵さんが鳴りを潜め、翔太と新キャラ栄二郎が活躍します。店を開けないので常連さんたちに会えず寂しかったですが新シリーズはこんな感じで進むんでしょうか。店で出していたような親しみやすい料理も出して欲しいと思いました。海老団子汁、鶏団子鍋、鶏胆の南蛮漬け、醤油飯、きんぴらのかき揚げ茶漬け、鳥の唐揚げt等は落ち着きます。今回は欧州の料理が多かったです。どの料理も今でも手の込んだ凄い料理なので藩の宝でしょう。2020/02/06
ミド
7
もうどこからツッコんでいいのやら。ですよねーという結末だった。次々と指示の文が出てきた時点でちょっとは疑おうよ犯人さん。認知症の父を介護する家族に対する季蔵の態度は介護していない外野のそれ。手や金は出さないけれど口だけ出す。2021/12/15
rin
7
シリーズ38冊目。今回は料理が鯨、トリュフ、参鶏湯など江戸時代には凄い。季蔵さんの父の命がかかっているのでハラハラした。季蔵さんに似た2人の登場にもヤキモキ。 鳥谷お奉行は絶対大丈夫と思ったがハラハラした 最後は落ち着いたが、新たなステージとはどういうことだろう?続きを読めばわかるけどね2020/04/02